2部分:第二章
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あんたのところは。裕二郎ちゃんね」
マチの息子の名前であった。
「あの子のお粥だよね」
「そうだよ。だから何時帰ってきても食べられるように」
マチはにこりと笑って話すのだった。
「用意してるんだよ」
「そうだよね。何時帰ってきてもだったよね」
「帰ってくるよ」
マチの笑みはそのままであった。
「絶対にね」
「信じてるんだね。裕二郎ちゃんのこと」
「当たり前だよ。私の子だよ」
今度はこう話すのだった。
「わかってるんだよ。私には」
「帰ってくることがだね」
「生きて絶対に帰ってくるよ」
彼女はこう信じているのだった。完全に。
「だからそれが何時でもいいように待ってるんだよ」
「そうだよね。絶対に帰ってくるよね」
サクもマチのその言葉に頷くのだった。
「あの子はね」
「何時になるかわからないけれど」
ただマチはここでこうも言った。
「絶対に帰って来るよ」
「そう信じてるんだね」
「そうだよ。私にはわかってるから」
微笑んでの言葉であった。
「何時か帰ってきてそれで私が作った御飯を食べるんだよ」
「そういえばずっとここに住んでいたからね」
サクはふとこうした言葉を出したのだった。そのマチの横で。
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