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リリカルビィト〜才牙と魔法が交わる物語〜“改稿版”
四十七話、事件前の天才と天才の会話
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〜千冬視点〜

「良いのか、束?」

現在午後十一時……バベルの会議室から機材室に移動した束に私はそう話しかけた

「? 何が、ちーちゃん?」

白騎士の調整を行っていた束が聞いてくる

……そう言えばこいつも変わったな……

私と束が出会ったのは中学生の時だ……

その時のあいつと来たら……

確かに天才だったが、対等に話そうとする人はいなかったし、本人も自分が興味ある人としか話しかけようとしない……

自分から話しかけたのは私と弟の一夏、そして自分の妹の箒……それだけだったらしい

其が中学最後の夏休みの時、あいつは一週間程行方不明になってからこいつは変わった……

いろんな人に話し掛け、時々手料理を出したんだぞ? 其もかなり旨かった……

あいつの家族は驚きのあまり病院に連れていこうとした位だ……

高校生になってからあいつの周りにははいつの間にかいろんな人が来るようになった、告白する男もいたな、何人も

おまけにどこで覚えたか知らんが恋愛のアドバイスもするし

……と、そんなこと思っている場合ではないな

「ISの初舞台がこんな場面だとISは"兵器"として見られるだろう。お前が夢見る宇宙開発が果てしなく遠のく。それでも良いのか?」

これは絶対に聞かなくてはならない、自分の夢の話なのだから……

「嫌だよ……そんなの」

答える束はつらそうに顔を歪ませる

「なら「でも……」……?」

束は私の言葉を遮りながら答える

「人の命を蔑ろにしてまで自分の夢を叶えたいと思うほど、束さんは腐っていないよ……ISが兵器として認識されたら其を直せばいい、どれだけ時間が掛かっても……」

「束……」

その決意を秘めた顔を見て私は思った……

"成長とはこう言うことを言うのか"、と……

「其に……」

「?」

何故か言い淀む束、どうしたのだ?

「私のせいでいっくん入院したし……」

「……気にするな、お前は悪くない……」

そんなことを気にしていたのか、全く……

〜千冬視点終わり〜

●○●○

〜束視点〜

ちーちゃんはそう言ったけど、私はそう思わない……

あの時、箒ちゃんがいっくんに剣道の特訓をするって聞いて止めなかった……

箒ちゃんは教えるのが"壊滅的"に下手なのを知っていながら、そしていっくんには"剣の才能"が無いことを知っていながら……

その結果、いくら教えても上達しないいっくんに腹を立てて箒ちゃんは暴力を振るった……

そのせいでいっくんは大怪我、入院してしまった……

私が止めていれば、いっくんは大怪我しなかったのに……

其にいっくんのいる病院は国会議事堂の近く……


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