十四話:プライムマッチと日常
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イムマッチに遅れてしまうのでお遊びをやめて家から出て行く。
そう言えば、復讐の件は前の案が却下なら何をするか。
折角なのでジークに聞いてみるとしよう。
「画像と音声を知り合い全員に配信するのはどうなん?」
「流石は“黒のエレミア”。腹まで真っ黒だ」
「セクハラしよーと、しとった人には言われとうないわ」
悔しいけど言い返せないの、ビクンビクン。
大歓声と共にハリーが現れる。
その人気ぶりはジークにも引けを取らないだろう。
一方のエルスは控えめな歓声で何とも物悲しい。
そして二人の戦いの火ぶたが今切って落とされる。
しかし、素直すぎる性格が仇となってか開始早々にハリーが手錠と鎖に拘束されてしまう。
「拘束されて身動きできない不良生徒……これは薄い本が厚くなるな」
「転送と遠隔操作……上手いなぁ」
その後、ハリーは自分の腕を撃つという荒業で拘束から逃れることに成功してエルスを砲撃魔法で吹き飛ばしたが、クラッシュエミュレートが発生したために目に涙を溜めてプルプルと震えている。
「不良が涙目で痛みを耐える姿……ギャップ萌え狙いか?」
「番長、ようけクラッシュするなぁ」
二人の試合は、激しくなり俺が見た中でも一番の激戦となっていった。
心情的には同級生であるハリーに勝って欲しいと思っていた所でエルスがカウンター気味に拘束するが、逆にハリーはそれを手繰り寄せることでエルスを引き寄せてしまった。
『うそぉーーーッ!?』
「こんな時でもツッコミを忘れないとは……やはり天才かッ!?」
「番長って毎回おもろい発想するんよね」
最後は傷ついた右腕での渾身のストレートという予想外の攻撃でエルスを沈めて見事にKO勝利を納めていた。
……それにしてもさっきから思っていたがジークの奴は俺の話を一切聞いていないじゃないか。
ボケがスルーされるというのがどれだけ辛い事か分かっているのか。
ふ、いいだろう。そっちがその気ならこっちにも考えがあるぞ。
「面白い試合も見れたし、帰ってトレーニングやな」
「ジーク……愛してる」
「じゃ、帰ろ―――って、な、ななな何言っとるんッ!?」
「何だ、聞こえなかったのか。愛しているよ、ジーク」
俺的に男前な顔をしてもう一度言い直してみる。
ジークは真っ赤な顔であわあわとしながら目を白黒させている。
ずっと無視されていた恨みはこれで晴らせた。
「ほ、本気で言っとるん?」
「勿論冗談だ」
「そか、ほな、これでお相子やね」
「ぐほっ! 見事な上段突きだ」
冗談だけに上段で返して来るとは流石は家の乞食だ。
ツーンとした態度で歩き去って行くジークを苦笑いで追う俺。
しばらく歩いている
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