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インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
第五話《俺と私》
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ラに頭突きをしたところまでだ。
俺は、夢を見ていた。
小学生の頃の夢。
頬に絆創膏を貼った俺は、千冬姉と手を繋ぎながら、夕日で赤黄色に染まっている河川敷を歩いていた。周りに、歩いている人はいない。
ーーあぁ、そういえば、この頃はよく喧嘩してたっけな。
俺は、箒の道場に通い剣道をならい、千冬に体術を習っていたため、例え性別がちがくとも喧嘩で負けることはなかった。
つまり。他の人より強かったことで天狗になっていたんだ。
「どうして・・・お姉ちゃんが謝るの?」俺は、不貞腐れながら話していた。
「なに、妹のやったことは、姉が責任を持つものさ」千冬は笑う。
「違う!悪いのはあいつ等だ!私達は悪くない!」
ーーあれ。この頃の俺は、自分の事を『私』と言っていたのか。
千冬は幼い俺と、目線を会わせ、俺の肩に手を置いた。
「いいか。確かにお前はいじめている人を助けた。だが、おまえは護るためだけではなく、傷つけるために力を振るってしまったんだ・・・。少し、やり過ぎたんだよ。」
「じゃあ・・・どこまでが護るためなの?私は、どうすればよかったの?」
「そうだな・・・その基準はとても難しいからな・・・。」
千冬は少し考え、こう答えた。
「よし、じゃあ、明日からは人をなるべく傷つけない闘い方を教えてあげるよ」
・・・そのときの幼い頃の俺は、スカートをはいていた。
今の俺は、恥ずかしくてスカートははけない。
思い出せない・・・。
俺は、いつから性同一性障害になったんだ・・・?
目を覚ました時には、もう日が暮れかけており、部屋は夕日の色に染まっていた。
「目が覚めたか」
顔を左に向けると、千冬姉が書類に目を通していた。
「千冬姉・・・どうやったらボールを破裂させられるんだよ・・・」俺は、元気なく言った。
「すまなかったな。咄嗟のことだったので加減が出来なかったんだ。まぁ、当たったのがお前でよかったよ。」千冬姉は少し笑った。
「確かに俺でよかったけどよくない・・・」俺は元気なく答える。
1日しかない自由時間がもう終わるのか・・・そう考えるとどうも元気がでない。
それにしても・・・
俺は、何気なく、尋ねた。
「千冬姉、俺って、いつから一人称が『俺』になった?」
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