暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
第五話《俺と私》
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
ラに頭突きをしたところまでだ。
























俺は、夢を見ていた。

小学生の頃の夢。

頬に絆創膏を貼った俺は、千冬姉と手を繋ぎながら、夕日で赤黄色に染まっている河川敷を歩いていた。周りに、歩いている人はいない。

ーーあぁ、そういえば、この頃はよく喧嘩してたっけな。

俺は、箒の道場に通い剣道をならい、千冬に体術を習っていたため、例え性別がちがくとも喧嘩で負けることはなかった。

つまり。他の人より強かったことで天狗になっていたんだ。

「どうして・・・お姉ちゃんが謝るの?」俺は、不貞腐れながら話していた。

「なに、妹のやったことは、姉が責任を持つものさ」千冬は笑う。

「違う!悪いのはあいつ等だ!私達は悪くない!」

ーーあれ。この頃の俺は、自分の事を『私』と言っていたのか。


千冬は幼い俺と、目線を会わせ、俺の肩に手を置いた。

「いいか。確かにお前はいじめている人を助けた。だが、おまえは護るためだけではなく、傷つけるために力を振るってしまったんだ・・・。少し、やり過ぎたんだよ。」

「じゃあ・・・どこまでが護るためなの?私は、どうすればよかったの?」

「そうだな・・・その基準はとても難しいからな・・・。」

千冬は少し考え、こう答えた。

「よし、じゃあ、明日からは人をなるべく傷つけない闘い方を教えてあげるよ」

・・・そのときの幼い頃の俺は、スカートをはいていた。

今の俺は、恥ずかしくてスカートははけない。

思い出せない・・・。

俺は、いつから性同一性障害になったんだ・・・?




















目を覚ました時には、もう日が暮れかけており、部屋は夕日の色に染まっていた。

「目が覚めたか」

顔を左に向けると、千冬姉が書類に目を通していた。

「千冬姉・・・どうやったらボールを破裂させられるんだよ・・・」俺は、元気なく言った。

「すまなかったな。咄嗟のことだったので加減が出来なかったんだ。まぁ、当たったのがお前でよかったよ。」千冬姉は少し笑った。

「確かに俺でよかったけどよくない・・・」俺は元気なく答える。

1日しかない自由時間がもう終わるのか・・・そう考えるとどうも元気がでない。

それにしても・・・

俺は、何気なく、尋ねた。

「千冬姉、俺って、いつから一人称が『俺』になった?」
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ