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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第481話】
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ら忘れてしまった。
その刹那、警告音が鳴り響く。
「美冬! 危ないッ!」
美春がそう叫び、美冬を突き飛ばす――刹那、熱線が美春を飲み込んだ。
「……!? 美春っ!? 返事して! 無事なのッ!?」
熱線に堪えきった美春が姿を現す――だが、一部生身の部分には酷い火傷を負っていた。
「だ、大丈夫……。 ……えへへ、痛いってのも、結構きつい、ね……?」
苦痛の表情を浮かべ、尚も天狼を構える美春――抜け出た穴から出てきた襲撃者に、言い様のしれない恐怖を感じた美冬は最愛の兄であるヒルトの名前を呟く。
「お兄ちゃん……美冬に……力を、ちょうだい……!」
恐怖心に支配される前に、美冬は攻めに転じた。
そして、一人襲撃者に襲われていた簪は――。
「あ、あ……あっ……」
突然の襲撃者によってろくな対応も出来ず、未だにISすら展開が出来ないほどの恐怖に支配されていた。
がたがたと噛み合わない歯を鳴らし、簪は完全に戦意を失ってただただ怯え、後退りする。
もう既に心が恐怖に支配されていて、まともな思考が出来なくなっていた。
「ひっ……!?」
小さく悲鳴を上げる簪、既に背後は壁で、これ以上下がることは出来なかった。
怯え、体の震えは止まらず、再度壁を見てからゆっくりと前を向く。
『――――――』
襲撃者が徐々に迫る、心の中で簪は目一杯助けを求めた、誰でも良かった――今、この危機を助けてくれるなら。
だが、現実は都合よくいくはずもない、助けを求めても、ヒーローがやって来てくれる事はない。
だがそれでも、簪は助けを求める――そして、無意識化で一人の男性の名前を呟く。
甘く、優しい言葉をかけてくれた織斑一夏ではなく、自分に対して、厳しい言葉を掛けてくれた有坂ヒルトの名を。
「ひ、る……と、くん……」
その時、彼が言っていた言葉と、先日未来が言った言葉が脳裏に過った。
『簪、まだ自分で対処が可能だろッ! 確りしろ!』
『人によって優しさの感じ方って違うじゃない? ヒルトは更識さんにとって厳しい言い方したかもしれないけど、でもそれだって貴女の事を思って厳しく言ったと思わない?』
彼が言っていたのはこの事も想定しての事だったんだ……そう思うと、急にヒルトがこれまで自分にしてくれた事を思い出す。
機体だって、彼の尽力が無ければ……大会に間に合うどころか未だに完成していなかったかもしれない。
クラスの中で孤立していた私にも、ヒルトは皆と仲良くなるきっかけを作ってくれた――でも、私の身勝手な行動で今また孤立しかけている。
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