十三話:食事と日常
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あの後ジークの試合にセコンドとして出たが正直に言って殆どすることは無かった。
何故かというとジークが相手を1ラウンドでKOしてしまうからだ。
なので、頑張れと激励を送って送り出すだけの簡単なお仕事だった。
今回は二回戦で試合は終わりとなり、それ以降の試合は来週という予定だ。
その為、俺は平日の夜にこうして買い物をしに外に出たんだが……。
「ギガンティック・フルーツパフェを二つお願いします」
「おい、俺はそんな聞くからに物騒な物は食べないぞ」
「私が二つ食べるに決まっているだろう」
「お前、ミウラちゃんに頭蹴られていたっけ?」
目の前で暴飲暴食の限りを尽くすミカヤに捕まっていた。
偶には外で食べようと思いレストランに入ったまでは良かったが何故かそこにミカヤが居て道連れにされたのだ。
負けた悔しさからやけ食いをするのは一向に構わないが巻き込まないで欲しかった。
「しかし、お前も負けた後はへこむものなんだな」
「失敬な! こう見えても乙女なんだぞ?」
「最近の乙女は両手に食い物を握ったまま話すものなのか、勉強になる」
右手に焼き鳥を、左手にフライドチキンを。どれだけの鶏を犠牲にすれば気が済むんだ。
それと、こんなところで二刀流剣士特有の器用さを発揮しないでもらいたい。
ほら、遠くの席からお母さんが娘に真似しちゃダメですよって言っている……ん?
「あれは……ヴィヴィオちゃん?」
「やっぱり、ミカヤさんにリヒターさんだ!」
「ヴィヴィオ、知り合いなの?」
ヴィヴィオちゃんが元気よく手を振って来た。
隣に居る茶色の髪をサイドテールにした女性は多分ヴィヴィオちゃんのお母さんなのだろう。
一応の礼儀なので挨拶をしておこうと思って急いで料理を飲み込んでいるミカヤを無視してヴィヴィオちゃんの元に行く。
「初めまして、リヒター・ノーマンです。ヴィヴィオちゃんとは選考会で出会った知り合いです」
「あ、うちの娘がお世話になっています。高町なのはです」
「いえいえ、こちらこそ……高町なのは?」
あれ? 確か管理局のエースオブエースがそんな名前の人だったような気がするぞ。
ついでに俺が一番好きな管理局員名言集の『少し……頭冷やそうか』を言った張本人とも同じ名前だったような。
もしかして本人か?
「すいません、ご職業をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「え? 管理局で航空武装隊の戦技教導官をやっています」
あ、この人、本人で確定だ。
「あなたが、あの高町なのはさんですか。すいません、サインしてくれませんか」
「え!? そんなに凄い人でもないんだけどなぁ……あはは」
「ありがとうございます」
少し頬を赤らめて謙遜しながらも差し出した色
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