十三話:食事と日常
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紙にサインを書いてくれるなのはさん。
これを売れば少しは俺のサイフの助けになるかもしれないがもったいないのでそんなことはしない。
ミカヤ、今だけは俺を道連れにしたことに感謝するぞ。
「私はママのサインよりもハリー選手とかチャンピオンのサインの方が羨ましいのになー」
「まあ、こういうのは身近にいるとありがたみが薄れる物だからな。ヴィヴィオちゃんもいずれ分かるさ」
傍から見れば俺も周りに有名人がいるのだろう。
まあ、ヴィヴィオちゃんに言ったとおりにこういうのは身近だとありがたみがないからな。
それよりも今は明らかに高町親子がガン見しているミカヤについての説明の方が先か。
「ねえ、リヒターさん。あそこですっごく大きなパフェを食べているのって……」
「ああ、ミカヤだな」
「いつから料理を食べ始めたんですか?」
「……二時間前からだな」
「もう一つ、質問していいですか? ミウラさんとミカヤさんの試合の結果は?」
「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
まあ、特にミカヤがやけ食いをしているのを隠す気もないけどな。
というか、隠しようがない。
それと、今の俺は別にヴィヴィオちゃんに胸ぐらを掴まれて『やりやがったな!』と叫ばれてもいないし。
なのはさんが驚いているというわけでもない。
「敗北の乗り越え方は人それぞれということだ。今はそっとしておいてくれ」
「それは分かっているんですけど、見ていたら私も負けちゃったらどうなるんだろうって思って……」
ヴィヴィオちゃんが不安げに二つ目のパフェを手品のように消していくミカヤを見ながら呟く。
……まさか、あの状態のミカヤを見て引かずに真面目に自分の事を考えるとはな。
俺には到底出来そうもない。実際、俺はまたいつもの奇行かと思っただけだからな。
「ヴィヴィオ、勝負が始まる前から負けることを考えたらダメだよ。全力全開で挑んで負けたら後で考えればいいんだよ」
「……うん、そうだよね! ママの言う通りだね!」
「流石はなのはさんです」
「何だか、そういわれると照れちゃうな……」
少し頭を掻きながら舌を出すなのはさん。
一児の母親とは思えない子供っぽい仕草に思わずからかいたくなってしまうが風のうわさで聞いたお話が発生されても困るのでなのはさんをいじるのは控えることにする。
「ミカヤ、お前も挨拶したらどうだ?」
「おっと、調子はどうだいヴィヴィオちゃん」
「まずは頬に付いたクリームを拭け」
「失礼」
頬にクリームを付けたままキリリとした表情を作ったミカヤは傍から見るとアホにしか見えなかった。
「ミカヤさん位強くても負けると辛いんですね……」
「何、悩みや後悔は汗や糖分と一緒に流してしまうの
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