19.君はここにいてもいい
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、ガネーシャ様の下にしかなかったから。
意識が浮上し、天井が見える。
体はふわふわしていて、あまり感覚がない。
視界はぼやけ、目の前に誰かがいるのは分かったけど、誰なのかは分からなかった。
「――この子の魂を縛っていた呪いは、一先ず封じたわ。でもこれは呪いの大本を叩かないと根治は無理ね………汚らわしい呪い。この呪いをかけた何者かを、私は許容できそうにありませんわ?」
「うむ、俺も同じ気持ちだ。落とし前は必ずつけなければならん……この子を弄んだ、その報いをな」
聞き覚えのある声だった。
母親のような、父親のような。いつも優しくて、誰にも別け隔てをしなくて。
えばっているようで全然えばってなくて、人が笑うのを見るのが誰よりも好きな――
でも、もうミネットにはアスタリスクの力は残っていない。
何となく分かるのだ。ねこ使いとしての力が、自分の中から感じられない。
それでも、一緒にいていいと言ってほしかった。母親に言ってもらえなかったその言葉を。
震える手を伸ばして、ガネーシャに伸ばす。
「ガネーシャ、さま………ミネット、もうお役にたてないかも、しれないけど………捨てにゃいで、にゃあ………」
「俺を誰だと思っている?そう、何を隠そう俺こそが!……誰より優しくていつだってミネットの味方、ガネーシャ様だ」
ああ――はやりこの神様の掌は、いつも暖かい。
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