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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
19.君はここにいてもいい
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でなく別に望んでもいない物も与えてくれた。
 猫への食事、ミネットへの食事。教育、服、家事、人との接し方。
 人が人として生きていくために必要な知識と――ずっと昔に失っていた暖かさをくれた。

 あるとき、町で変なおじいさんから綺麗な石を貰った。
 アスタリスク――それがどういうものかを理解するのは難しかったが、猫たちが分からない所を教えてくれた。その石を何故おじいさんがくれたのかは分からなかったが、何となくそれは自分の為にあるような気がした。

 最初はその石を使って同じファミリアの仲間にアスタリスクの加護を与えて、モンスターテイムの補助に使っていた。使えば使うほどガネーシャ・ファミリアの練度は上がっていき、ガネーシャもそれを喜んだ。我が子の成長を喜ばない親などいない――そう言って他の神にも自慢していた。

 次第にそれだけでは我慢できなくなって、自分もテイムを行うことにした。
 折角だからすごく大きくて立派な奴をテイムして友達になろう。
 そして、ガネーシャにうんと喜んでもらおう。

 テイムした魔物の名前にガネーシャ――その頃にはもう様をつけていた――は、ビスマルクという名前を付けてミネットと共に可愛がった。

 ―――――。

 ―――――。

 幸せな日々は続いた。思い出もたくさんできた。
 でも、過ごしているうちに、果たして自分が求められている存在なのか分からなくなってきた。
 ガネーシャ様が求めているのはミネット?それともアスタリスクの力?
 分からなくて、でも怖くて聞くことは出来なかった。

 ある日、ミネットは自分がアスタリスクの職権付与を使えなくなっていることに気付いた。
 猫に発揮する統率力も少しずつ弱まって、猫たちに見返りを与えないという事を聞かせられなくなってきた。アスタリスクのステイタス補正も弱まった。時々使っていたバトル・アリーナを使用すると、不完全に周囲の地形を取り込むようになっていた。
 慌ててアスタリスクを見ると、輝石は無残にも黒ずんでいた。

 そして――。

 ―――――。

 あいつは、リングアベルを殺せば輝石に輝きを取り戻してやると告げた。
 そのために、輝石の力を保つためのおまじないを施してきた。
 今になって思えば、騙されていたのかもしれない。
 おまじないを受けてから、リングアベルへの殺意とガネーシャ様に捨てられることへの恐怖はどんどん心の中で膨れ上がっていった。変容する自分の心が怖くなって、気が付いたらリングアベルを殺したくないという思いが心のストッパーになっていた。

 リングアベルの笑顔は、どこかガネーシャ様に似ていたのだ。

 それでも、アスタリスクの力に縋るしかなかった。

 だって、ミネットの居場所は――暖かな寝床は
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