19.君はここにいてもいい
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跡の4発連続攻撃が、とうとうビスマルクの硬い皮膚を突き破って大きな傷を負わせる。
『グオアアアアアアアアアアアアッ!?』
「お前には言っても分からないと思うけどな……俺達にとって獅子ってのは、いつか背負わなきゃならない三銃士の紋章なんだッ!」
「要するに、アレだ………その獅子に押し負けてるようじゃあ、俺達は前に進めねえのさッ!!」
――これが、後に正教騎士団の伝説となる二人が歴史に刻んだ最初の伝説となる。
僅か数秒にも満たない、一か八かの大攻勢だった。
ただし、魔物はコアとなる魔石を破壊しない限りは何度でも体を再生させる。一時的に行動不能になったビスマルクの傷も既にふさがり掛けていた。
だが、この一瞬がビスマルクを潜り抜けてミネットに肉薄したリングアベルの命を守り切った。
「危なかったが、ビスマルクの追加ダメージによって……今度こそ俺は瀕死だ……これで可能なステイタスアップの底上げはッ……完了したぁッ!!」
「び、ビスマルクッ!!お前ら………よくもミネットの友達を!絶対許さにゃいにゃ!!」
ミネットが斧を振り回してリングアベルに襲い掛かる。だが、怒りからかその動きは今までより更に精細さを欠き、斧は空を切っていた。リングアベルは乱れる息を正そうともせず、剣を鞘に納めて抜けないようがっちり布で固定する。布には破れた衣服を使ったため少々血なまぐさいが、これもミネットを助けるためだ。
スキル『火事場力』の発動でギリギリまで高められた攻撃力を、剣に注ぎ込む。
求めるのは最速の踏込と、正確かつ的確に彼女の弱点を突くこと。
やれるのか――いや、やる。
「ミネットはぁ……リングアベルを、殺して………ガネーシャ様のために……ッ!!」
発言の意図が分からないワードをうわ言のように呟きながらリングアベルを攻めたてるミネットから冷静に距離を取ったリングアベルは、歯を食いしばってつま先に全力で力を込めた。
「大丈夫だとは思うけど、我慢しろよ……!――斬り裂け、『ハックスラッシュ』ッ!!」
瞬間、リングアベルはミネットの振り回した斧を掻い潜って懐に入った。加速する視界と体を、全力で歯を食いしばってコントロールする。ミネットはそれでも全速の攻撃に反応し、斧を振りかざす。
ミネットか、リングアベルか――ほぼ同時に二人の腕が空を切った。
「あ…………」
「すまん、ミネット。もしよければ次に目を覚ました時に、君の事を教えてくれ……」
瞬撃で鞘に収まった剣がミネットの首筋めがけて叩き込まれていた。
刃があれば確実に首が飛んでいたであろう衝撃に、斧が取り落とされる。
ミネットの身体が大きくビクンと震え、目を見開いたまま動きを停止させ――
「やだよ……ガネーシャ、さまぁ
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