19.君はここにいてもいい
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なければならない。逆にビスマルクをリングアベルが足止めした場合、流石の二人もミネットに勝つのは厳しい。ミネットの戦闘能力は、2重の補正で事実上のLv.5クラスはあると考えて良いだろう。
Lv.5といえばオラリオでもトップランカーの部類に入る。
だがリングアベルが斧の攻撃を受けた限りでは、想像を絶する怪力でこそあったもののそれ程の脅威を感じなかった。恐らくだが彼女はそのねこ使いというジョブの特性上、自ら前に出て戦うタイプではないのだろう。加えて彼女の肉体はまだ未成熟。故にステイタスばかりが先行し、技術は間に合っていない。ステイタス的防御力の高さゆえにユウとジャンの剣では決定打にならない可能性が高い。
だとしたら、急所を狙えばリングアベルにも気絶させるくらいのことは出来る筈だ。
幸いというかなんというか、あの槍の投擲技『ホライズン』のように剣の必殺技のようなものもリングアベルは一つだけ思い出している。その技と、もう一つの条件が揃えば可能なはずだ。
かくいうユウたちもビスマルクを怯ませる策が一つだけあるらしい。
問題はそれを使用するタイミング。一度しか使えないが故に、ミスをすると取り返しがつかない。
「しかし、不可能を可能にしてこそ人は英雄と呼ばれる。少年たちよ、成功すれば犠牲を出さずに無事生還だ!準備はいいか!?」
「はい!がんばりましょう、リングアベルさん!」
「へっ……これぐらいの難易度の方がいいハンデにならぁ!!」
剣を携えた3人が、こちらの様子を伺いつつ近づいていたミネットとビスマルクへと剣を向ける。
「相談はもうお終いにゃ?なら、そろそろ三人ともネングの納め時にゃ!!」
『グルルルル………!!グオオオオオオオオオオオッ!!!』
ビスマルクの咆哮が待機を揺るがし、その爪が真正面からリングアベルに迫った。
直撃すればリングアベルは恐らく見事な3枚おろしにされて即死。だが――爪を用いた攻撃には、一見して分からない大きな弱点がある。――それを使って来るとは運がいい、とリングアベルは微笑んだ。
背中からの出血で次第に失われていく体力を根性で無視して、脚にあらん限りの力を込めたリングアベルは、正面から迫る爪を相手に――真っ直ぐに飛び込んだ。
「にゃにいッ!?」
『ガウウウウッ!?』
正面から迫りくる刃に正面から向かうと言う自殺染みた行為にミネットもビスマルクも度肝を抜かれた。だが、それよりも驚いたことが――若干爪が掠ったものの、リングアベルが猛突進によってビスマルクの身体の下を掻い潜ったことである。
そう、獅子の爪は上から下に振り下ろされる。そして爪を用いた攻撃とはどうしても大振りになってしまい、実際に斬り裂くまでに時間がかかる。リングアベルはそれを逆手に取り
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ