九校戦編〈下〉
九校戦八日目(8)×対三高戦とその後について
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たかは知らんが地割れが吉祥寺の足元に到達した所で、草が地面に引きずりこもうとして居た事を感じ取った吉祥寺はこれが錯覚だと思わないで全魔法を跳躍へと注いだ。
「そんな錯覚をするから、幹比古の術にハマった様子だな。跳躍をしたと思えば頭上からの雷撃を躱せる程、余裕が無くなっている」
絡まった草を引き千切り、必要以上に高く跳び上がるが、上空で待っていた俺によって電撃を起こして、避雷針を吉祥寺の頭にセットしたレオのビットにより雷撃がヒットしたのだった。幹比古が連続発動したのは『地鳴り』『地割れ』『乱れ髪』『蟻地獄』である。『雷童子』はディフェンス選手に降らせたが、間一髪の所を避けたと思ったらレオのビットにより逃げ道が無くなった事で、レオの一撃でディフェンスと吉祥寺も倒れた事で試合終了のコールが鳴った。
「・・・・勝った、わよね?」
「・・・・勝ちました、ね」
独り言のような真由美の問いかけに、独り言のような口調で鈴音が答えた。それが合図ともなって、歓声を上げた事で一高スタッフ全員が歓声を爆発させた。一高生の無秩序な叫び声が、渾然一体となり地響きと化してスタンドを揺るがす。それは無邪気で純粋すぎる感情の発露、勝者を讃えると同時に敗者を打ちのめす裁きの槌音。しかし無慈悲なお祭り騒ぎは、すぐに鎮火された。
「・・・・お兄様!?」
「やっぱ凄いね一真君は!あの一条を倒しちゃうんだもの!」
「流石だね、もう拍手をするしかないよ。僕もだけど、これは皆が一丸となって拍手するしかないね!」
泣きながら口を押えていた深雪だったので、一高生徒はお祭り騒ぎから拍手喝采となって第一高校のスタンドを越えて、敵味方関係なく激闘を終えた選手を分け隔て無く讃える拍手へと変わった。会場全てが、暖かな拍手に包まれながらだったけど、拍手のシャワーを浴びながら俺達は客席近くまで歩いていた。レオと幹比古は歩いていたけど、俺だけは空中から観客席にいる深雪の頭を撫でてから応援してくれた一高生徒に向けて手を振ってからレオと幹比古がいる地点に降りた。
「やっぱり俺らの力は、高校生を逸脱しているのかな?」
「まあそうだろうよ、エレメンツビットにガイアメモリを使うための武装一体型。それに試作型のホルスタービットが、魔法師が使えるかどうかだよな」
「それでも一条の攻撃を受けた衝撃を全て吸収したとはいえ、レオの場合だとまるで二年前に大型二輪にはねられて以来何だろう?」
「え!そうなのかい?衝撃吸収したとはいえ、大型二輪にはねられた衝撃を喰らった事があるというのかいレオ」
「何で知っているのか知らないが、実はそうなんだよな。二年前にな、後ろにガキンチョがいたから避けるに避けられずに覚悟を決めてドンッ!だったんだが。無傷とは行かず、肋骨三本にヒビ
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