―一手―
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に入れていた《エクゾディア・ネクロス》の力で脱出……この異世界に戻ってきていた。もちろん、そんなことを亮が知る由もないが、それでも亮は臨戦態勢を解かなかった。
「悪いが、ここでそのエクゾディオスのカードは破壊させてもらう。誰のものだろうとな」
「それは困るな。このカードの力を使って、僕は王になるのだから」
その声とともに、《神縛りの塚》に封じられていたエクゾディオスが雄叫びをあげると、一枚のカードとなってアモンの手の内となる。アモンはその《究極封印神エクゾディオス》のカードを、わざわざ挑発するように亮に見せてから、デッキに投入しデュエルディスクを構える。
「どうやら神も君にお怒りのようだ。……このまま君を生贄に捧げてみせろ、と言っている」
「……いいだろう」
再び亮もデュエルディスクを構えると、そのフィールドに《サイバー・エンド・ドラゴン》が再出現する。さらに伏せられていたリバースカードも現れ、どうやら『このまま生贄に捧げる』という言葉通り、先の遊矢とのデュエルを引き継いでいるらしい。……その極限まで減ったライフポイントと、残り少ないデッキ枚数すらも。
「無茶だお兄さん! そんな引き継ぎなんて……」
「いやシニョール翔。カイザーの好きなように、やらせてあげるノーネ……」
あまりにも無謀なそのデュエルに対し、制止に行こうとする翔をクロノス教諭は引き止める。確かに絶望的な状況ではあるが、亮のフィールドには切り札たる《サイバー・エンド・ドラゴン》に、墓地には数え切れないほどの布石となりうるカード。アモンがエクゾディア……ないしそれに類するカードを使うのならば、ライフがいくら減っていても、その前に相手のライフを削りきらねばならない。
「ありがとうございます……クロノス先生」
――それに加えて、今から新たなデュエルを始められる程の余力は、もはや亮には残されていない。
「よく見ておくんだ、十代」
「カイザー……」
先の遊矢のデュエルでのダメージが色濃く残りながらも、平静を装って構えるカイザーの姿から、目をそらそうとする十代だったが、三沢の言葉で静かに見守ることを選択した。
「フッ、英断だな」
「鬼にならねば見えぬ地平がある……」
……それに加えて、カイザーにはこのデュエルを引き継いで行う理由が、もう一つあった。遊矢とのデュエルをアモンが引き継いだ事により、先のデュエルの決着はまだ付いていない。よってこのデュエルを受けさえすれば、親友の命を助けられることが確定する。
『デュエル!』
亮LP800
アモンLP4000
亮、フィールド(引き継ぎ)
サイバー・エンド・ドラゴン
リバースカード、一枚
……ただ、その代償はあまりにも重い。
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