18. 試練の戦い
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」
喋る間もなく再びビスマルクの猛烈な突進が繰り出された。並の冒険者なら吹き飛ばされてもおかしくない威力と速度だが、2人は思った以上に有能なのか今度もなんとか躱してみせた。リングアベルも2人とは反対方向へ回避する。
だが、幾度となく放たれる必殺の一撃に、3人の疲労は確実に蓄積し始めている。
そのままでは何か一つの小さな切っ掛けで誰かが命を落としかねない。
「むぅぅぅ………ちょこまかちょこまかと!!こうなったら一人ずつ確実にシマツするにゃ!まずは……リングアベル!お前からにゃ!!」
「まずい、俺に狙いを絞って来たか!?おのれ、熱烈アプローチは女性だけに………ハッ!?そうかこれは間接的にとはいえミネットからのアプローチ!うおおおおおおおお!!俄然燃えてきたぁぁぁぁぁッ!!」
「…………リングアベルはやっぱり馬鹿なのにゃ?」
『グルル……!?』
「これは言い訳できないぜ………あんた」
「お、俺にはよく分からない感覚だなぁ……」
急に元気になって猛ダッシュを開始したリングアベル。さっきまでの必死さとは打って変わって華麗なステップでビスマルクを翻弄さている。ダテにステイタス平均B−くらいな訳ではないのか、その動きは想像以上に機敏だ。
というか、ステイタス平均がCを越えているというのは実は凄いことなのだが、この事に気付いているのはヘスティア・ファミリアの残り2名だけである。ビスマルクは確かに強いが、巨体故に細かい振り回しが効かずに戸惑っていた。
「このっ……ならミネットはビスマルクから下りて戦うにゃ!!アスタリスクによるステータスブーストに加え、ガネーシャ・ファミリアのレベル3!!たとえ子供の身体でも、リングアベルに勝ち目は無いにゃっ!!」
「恩恵とアスタリスクの2重ブースト!?しまった……!ミネットがあの細腕で斧を持っている時点で気付くべきだったか!!」
業を煮やしたミネットがビスマルクの上から跳躍し、空中から斧を振り下ろす。
振るわれた片手斧が、防御の為に翳した剣に直撃する。
ガキィンッ!!と金属同士の衝突によるビリビリとした衝撃がリングアベルの足を止めた。
「ぐうううううう……ッ!み、ミネットの愛が重い!」
「にゃははっ!今更そんにゃからかいには引っかからにゃい!今にゃ、ビスマルク!!」
『ガアアアアアアアアアアアアッ!!』
「う……おああああああああッ!?」
瞬間的に剣に込める力を弱めてミネットの斧をどうにか受け流し、リングアベルは地面をごろごろと転がった。背中に奔る衝撃――避け損なって裂傷を負ったらしい。深くはないが、浅い傷でもない。背中に燃えるような熱と痛みが湧き出る。
「これぞ、ねこねこコンビネーション!もうお前らに勝ち目などカイムにゃ!!」
「ぐぐ
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