18. 試練の戦い
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ングアベルのブロードソードより三回りほど上等な逸品である。
包まれていたもう一本の剣はジャン自身の腰に携えられている。細剣スティンガー――あまり見ない型だがコリシュマルドに劣らぬ輝きを放っていた。
「それで、バトル・アリーナって何だ!?」
「元々は職権付与儀式を邪魔されないために自分の周囲と外界を遮断する特殊な結界でしたが……現在ではアスタリスク所持者が決闘のために用意する決闘場のように扱われています!」
「それなら俺も知ってるぜ!結界に干渉できるのは同じアスタリスク所持者か、結界を張った本人のみ!他の干渉は内外両方で一切受け付けねぇ!ようするにアレだ、正に決闘にはおあつらえ向きな空間って訳だ!」
「ほぉ、学生なだけあって博識だな少年たち!それでこの結界を俺達が突破するにはどうすればいい!?」
「方法は一つ!アスタリスク所持者を倒すことです!気絶でも戦意喪失でも構いません!彼女が結界を維持できない状態に持ち込めば――」
「戦いの最中にべらべら喋っている暇がお前らにあるのかにゃ!?ビスマルク、『焚書』!!」
『グルアアアアアアアアッ!!』
今度は足元に魔力が集まる。全員がその場を飛び退くと同時に纏わりつくような炎が地面から吹き出し、凄まじい熱を放った。直射だけでなく場所を指定した攻撃まで放って来るとなると、今後ますます回避が困難になってくる。
「あ、危なかった………『焚書』って言えば炎で焼かれた相手を喋れなくする先天性魔法だった筈!!」
「そんな恐ろしい魔法まで覚えてるのかアイツ!?魔物の癖に一体いくつの魔法を使えるんだ!?」
「それが『ねこ使い』のアスタリスクの特徴なんです!俺、実家の書斎でそのアスタリスクの話を読んだことがあります!!ねこ使いのジョブはネコ科の生物に対して優位性を持ち、更には猫に魔物の技や魔法を覚えさせることまで出来る!モンスターテイムの原型となったジョブなんです!!」
「だからこそオリジナルのアスタリスクを持つミネットは階層主などという狂暴な魔物をテイム出来たのか……!!」
「多分、猫であり魔物でもあるビスマルクはねこ使いの相方として理想の条件です!あれだけ多彩な攻撃が可能で、尚且つ気ままな猫と違って完全なテイムが可能だから!!」
「おいユウ!!お前のウンチクは為になるが、今は緊急事態なんだからもっと手早く喋れ!!お前の悪い癖だぞ!!」
「ご、ごめん!!えっと……ねこ使いのジョブはネコ科の存在を従えますが、ジョブ使い自身がやられたら指示を失った猫は大人しくなる筈です!!」
つまり、要約するとこうだ。ミネットさえどうにか無力化できればビスマルクと大人しくなるし、このバトル・アリーナも解除される。――狙うならミネットだ。
「そうか……ならば作戦が――ってうおぉぉ!?また来たぁッ!!
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