18. 試練の戦い
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出来ないか?
二人は冒険者ではないし、都合よくアスタリスクの所持者でもないだろう。恩恵も加護もない唯の学生でこの件とも無関係なのだから戦力としても期待できない。まずは戦いから遠ざけてミネットの狙いをこちらに絞らせるべきだ、と思ったリングアベルは後ろに声をかけた。
「ユウ、ジャン!出来るだけミネットとビスマルクから離れてこの空間を出る方法を……ユウ?」
「水……猫……それにさっき、アスタリスク正当所持者って………」
ユウはまるでこちらの言葉が聞こえていないようにぶつぶつと何かを呟いている。
その様子のおかしさに気付いたジャンがユウの肩を揺さぶる。
「ユウ?おい、ユウ、どうした!?」
「………そうか、分かったぞ!!」
「何が分かったか知らんが、次が来るぞ!急いで避けろーーッ!」
「ビスマルク!!ソニックブームを使うにゃ!!」
『グルルル……ガァアアアアアッ!!!』
ビスマルクの口元に魔力の奔流が渦巻き、今度は猛烈な突風が3人の眼前に迫る。
巨大な図体と桁外れのパワーに加え、様々な属性の攻撃を使い分ける魔物の猛威に、3人は必死で逃げ惑った。回避されたシニックブームは公園のベンチこと塀を粉々に吹き飛ばして噴煙を上げる。
だが、その光景にもユウだけは動揺せず、違う目をしていた。
この死中に活を見出したように、揺るぎない意志に満ちている。
この土壇場でも途切れない思考力――案外大物かもしれない。
「リングアベルさん、聞いてください!彼女は『ねこ使い』の正当なアスタリスク所持者だって言いましたよね!?」
「ああ、確かにそう言っていたが!アスタリスク使いも正当所持者も一緒じゃないのか!?」
「違います!!正当所持者というのは、『オリジナルのアスタリスクを所持している』という意味です!正当所持者は限りなくオリジナルの職権に近い能力を得られるため所持者は総じて強く、更にはアスタリスク使いには出来ない二つの特権が与えられます!!そのうちの一つが、『バトル・アリーナ』です!!」
「バトル・アリーナ!?確かミネットがそんなことを……」
「おい二人とも頭下げろ!何か打って来るぞ!!」
「『蜂の巣』になるにゃ〜〜!!」
『グオオオオオオオオッ!!!』
咄嗟に伏せた瞬間、超高速の何かが3人の頭上を無数に掠めていく。
その何かは、石煉瓦に次々に着弾して無数の穴を開けていく。よく分からないが、やはり一発でも命中したら体が『蜂の巣』になる威力だ。
「くそ、やりたい放題やりやがって……おいユウ!気休めだがこいつを持っておけ!!」
「サンキュー、ジャン!!」
ジャンが逃げながら背中に抱えていた剣の一本をユウに投げ渡す。
ヘファイストス・ファミリア製の細剣コリシュマルド。悔しい事にリ
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