食料庫終幕
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た
全身をズタズタにされたオリヴァスが仰向けに倒れ込む。
「嘘だ……種を超越した私が、『彼女』に選ばれたこの私がぁ……!?」
「ーーとんだ茶番だな」
アイズがオリヴァスに歩み寄ろうとしたその時。
突風のような速度でレヴィスと呼ばれた女がオリヴァスを助け出した。
彼の服をつかみ、そのまま距離を取って退避する。
石英の大主柱付近で止まったレヴィスは、そのままオリヴァスを地面に放った。
皆の視線が二人に集まる
「す、すまない、レヴィス……」
「……」
息も切れ切れで膝をつくオリヴァス。流血を無視して呼吸を整えようとする彼にレヴィスは無言だ。
ローガやアンドロメダが半円を作って周囲を囲む。もちろん、俺もそれに続いて戦車を進ませ、輪に加わった。乗っていた魔導師達も降りて加わる。
女がオリヴァスに手を伸ばした。
オリヴァスを立たせるかのように服の襟を掴み、片手で持ち上げる、
そして、次には
手刀を、オリヴァスの胸部に突き刺した
『!?』
「な、マジかッ!?」
その行動に俺達は驚愕した。
オリヴァスの体から更に血液が流れ出る。
レヴィスは顔色一つ変えずに、更に手を押し込んでいく
その状況は、オリヴァス本人のほうが何が起きたか分かっていないようだ。
「レ、レヴィスッ、何を……!?」
「その目で周りをよくみろ」
俺達の視線を受けたレヴィスという女はその赤い髪を揺らした。
「より力が必要になった。それだけだ」
「食人花どもではいくら喰っても大した血肉にならん」
……え? 今こいつ、なんていった?
いくら喰っても?
「まさか、よせ!? 私はお前と同じ、『彼女』に選ばれた人間……!?」
「選ばれた……? お前はアレが女神にでも見えているのか?」
「……ッ!?」
「お前も、そして私も、アレの触手に過ぎん」
……なんだこれは……?
目の前で繰り広げられているこの光景が俺にはあまり理解ができない。
つまりはあれか? 仲間割れか?
「た、たった一人の同胞を殺す気か!?」
手の残った左手でレヴィスの細腕を握りしめるオリヴァス。だがそれよ、レヴィスが胸部に突き刺した手刀に力を込めると、それに反比例するようにオリヴァスの体から力が抜けていき、ついには握りしめていた左手も、だらり、と下げてしまった。
「私がいなければ、『彼女』を守ることはーー!?」
そして、その腕を引き抜いた。
手の中にあるのは極彩色の『魔石』。
核を引き抜かれたオリヴァスは、モンスターと同じく、あっかなく灰となって崩れ落ちた。
「勘違いするな」
足元の灰に吐
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