食料庫終幕
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無視してアイズの元に進路をとった。
「っ! 怪魔!!」
だが、そうは問屋が卸さない。
自身の元から離れようとする食人花を怪魔が己の触手で拘束して逃がさない。
巨大モンスターには力不足だが、こいつら一匹一匹に対してなら十分抑えられる。
「アイズ! 構わねえ!! 丸ごとやっちまえ!!」
「……っ!!」
風を味方につけた剣士が動き出す。
それは一方的な殲滅戦だった。
剣を振るうアイズはまさに嵐そのもの。先程巨大花を切断した一閃が、複数の食人花の頭を切り落とし、瞬殺していく。
もちろん、拘束している怪魔も一緒に瞬殺なのだが、倒した側から再生するので何ら問題はない。
その様子を見ていたアイズは少し驚いたような顔をしていた……ような気がした。
「おい、さっさと片付けるぞ!?」
突如、ローガの声が響いた。
俺達を足止めする巨大花に対し、周囲へ声を張ったのだ。
アイズの姿に士気を上げた冒険者達。それは戦車に乗せた魔導師も変わらない。
前衛の冒険者が優秀な連携を繋げ始め、魔導師達も詠唱を唱える。
「みんな、『魔石』があるのはやっぱり頭の方だ! 花の部分を狙え!」
アイズが斬り飛ばした巨大花の頭部を調べ終えたルルネという少女が情報を伝えてくれた。
「聞いたな。頭を狙えよ!」
巨大花の蔦が率先して魔導師達を狙ってくるため、俺はそれの迎撃に力を注ぐ。
「クッソダリィ!!」
襲いかかる触手を雷で焼き、手綱を操って戦場を駆ける。
今俺がやるべきなのはこいつらに魔法を撃たせてやることだ。それまで耐えねばなるまいて。
「気張れよ、相棒!!」
『ヴヴォオオオオオオオオオオオッ!!!!』
二頭の神牛の吠え声が辺りに轟く。
駆けて駆けて駆けて、そして、ようやく、その時がきた
「【アルクス・レイ】!!」
レフィーヤを筆頭とした魔導師による砲撃が開始される。
花頭目掛けて放たれた魔法は見事にその頭を粉砕し、核である魔石を破壊する。
直後、断末魔を上げた巨大花が大量の灰となって崩れ落ちた。
「ありえんっ、負けるなど、屈するなどっーーありえるものかァ!?」
ボロボロになっている体に鞭打って、オリヴァスはアイズに向かって駆けた。
死角を突いたら奇襲。治ることのない傷を負いながらも、『魔石』が与える人智を越えた怪力で少女を絞め殺そうとする。
が、瞬く間に銀の剣が閃き、神速の斬撃が繰り出された。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
オリヴァスに無数の斬閃が刻まれる。
俺が負わした傷のさらに上から打ち込まれた斬撃は、オリヴァスの体が繋がっているのが不思議なほど、全身から血飛沫を散らせ
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