食料庫終幕
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わせ、体の傷による痛みも相まって顔を醜く歪めたオリヴァスは片手を真上に上げた。
「巨大花」
二体目の巨大花が柱から体皮を引き剥がしながら地面に倒れこむとその花頭をアイズに向ける。
「アイズさん!? 式さん! 急いで!」
「わかってらぁ! お前ら! どっかにしがみついとけよぉ!!」
アイズの救援を求めるレフィーヤの声に、俺も手綱を振るって応えた。
だが、行かせないとばかりに巨大花が行く手を阻み、長大な蔦の触手で攻撃してくる。
俺はそれを舌打ちを打って雷で焼き、やむなく戦車を旋回させた。
「すまん、レフィーヤ。これ以上は……!」
「そんな……! アイズさん!?」
レフィーヤが悲痛な叫びをあげる
「持ち帰るのは… グッ…死骸でも構うまい…」
手首から先のない右手をダラリと下げ、左手で腹を押さえているオリヴァスはそれでもなお、疲弊しているアイズを殺すのは容易いと思ったのか悪辣な笑みを浮かべた。
「おい、止めろ」
「フンッ、貴様の手に負えない片付けてやる」
レヴィスという女の呼び掛けにオリヴァスは取り合わない。
俺達が事の行く末を見守る中、アイズは静かに銀の剣を構えた。
「死ね、【剣姫】!!」
巨大花が一気に加速し、地面を抉りながら真正面から突撃した。
「【目覚めよ】」
直後、一閃
風の渦が周囲の空気を押し退け、剣に付与された暴風。
大薙ぎされた斬撃が巨大花の首を切断した。
……うそん
切断された首が上空を飛翔する。
鮮血を撒き散らすモンスターの花頭は弧を描き、やがて轟音を放って地に落ちた。
『ーーーーーーーーーーーーァァァッ!!』
大主柱に寄生する宝玉の胎児が叫喚した。
「一撃……」
ポツリ、と俺は独り言を溢した。
あの超巨大モンスターを一振りで。
剣技、ステイタスもあるが、最大の要因はあの付与魔法だろう。
風王結界かよ、と思った俺は仕方のないことだと思う。
胎児の叫びが響くなか、誰もが言葉を失っていた。
同じLv6。けれども、この差はなんだ。
一方は手こずって、もう一方は一撃。
「……ハハ」
思わず、乾いた笑いが溢れた
「なっ、なぁっ……!?」
オリヴァスが肌の白い顔を一層白くさせる。
先程の余裕はどこへいったのか、今や体に負わされた傷のことも忘れて後退りした。
ヒュンと、アイズがサーベルを構える
「ヴィ、食人花ーーッ!?」
咄嗟に手を振り上げたオリヴァスが、悲鳴を上げるように叫んだ。
その命に従い、残っていた食人花が怪魔を
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