食料庫終幕
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となる。
このままズルズルと戦闘が長引けば泥沼化の一途を辿り、こちらが不利となる。
早急に勝負を決めるなら、魔石を狙うしか方法がない。
俺は戦車でモンスターの周りを駆けながら、なんとか方法はないかと考える。
前線を任せたアンドロメダを見るに、同じようなことを考えていそうだ。
ローガの渾身の回し蹴りが巨大花の進路を変えるのを目にしながら、俺は巨大花の巨体に視線を走らせた。
体の中央、もしくは他の食人花と同じく先端の花頭か。
いずれにしてもあの分厚い肉皮を貫通しなければならない。
「……無駄だ」
そんな中、オリヴァスが口の血を拭いながらも不気味に笑った。
巨大花攻略の糸口が見つけられない内に勝負に出るつもりなのだろう。オリヴァスはその黄緑色の目を細め、片腕を上げようとした。
一体目を呼び出す時と同じ仕草だ。
冗談じゃない。あんなのもう一匹とかふざけている
手綱を握りしめ、俺がオリヴァスを憎々しげに見た。まさにその時だった。
大空洞の壁面の一角が、爆発する。
『!?』
いきなりの破砕音に大空洞にいる全ての者が視線を向けた。
何筋もの煙を引いて飛び出してきたのは、赤髪のナイスグラマーな女だった。
……おっと、余計なのが入った
吹き飛ばされてきたのか、凄まじい勢いで壁を破壊した彼女は、背中から叩きつけられ、ガガガガッと地面を削っていく。
勢いよく進む彼女は、巨大花が暴れる戦場から離れた地点で止まった。
「ぐッッ……!?」
呻き声をあげた彼女は剣身が折れた紅剣を放り捨てると、体中を傷まみれにしながら、消耗を物語るようにその場で片膝をついた。
「はっ、はぁッ……!?」
女が粉砕した壁面から次に現れたのは、金髪金眼の少女ーーアイズだ。
彼女もまた全身に裂傷を負いながら、盛大に肩で息をしている。
「レヴィス!?」
「アイズさん!?」
オリヴァスと、俺の隣でレフィーヤが同時に叫んだ。
てことは、あの赤い女はオリヴァスの仲間か。つまり敵。
サーベルを提げ大空洞に踏み込んできたアイズは、周囲の光景、そして俺達の姿に驚いた顔を見せたが、直ぐに自分は大丈夫だと言うように頷いて見せた。
心なしか、周りの雰囲気がよくなった。あのローガでさえ、一笑を浮かべているほどだ。
どちらも疲弊しているが、状況から見るに、アイズのほうが少し優勢といったところか。
「……口だけか、レヴィス。情けない」
オリヴァスの声が響いた。
レヴィスと呼ばれた女はオリヴァスと同じ黄緑色の瞳を彼に向ける。
「この小娘が『アリア』などと……認められるものではないが、いいだろう。『彼女』が望むというのなら」
アイズへの嫉妬によるものなのか、言葉の端々に敵愾心を窺
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