食料庫終幕
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「蹴散らせ」
オリヴァスのその命に従うように、巨大花が動き出す。
かなりの重量持つ巨大花は今までの食人花のように首を高くもたげることができないようで、蚯蚓のように地を這った。
ただ、その動くだけの行為がすでに人を殺すだけの威力を秘めていた。
「クソッタレ!!」
怪魔も戦車もまだ残っている。
怪魔には産まれてくる食人花の相手をさせ、俺は戦車の手綱を振るって真正面から突っ込ませる。
「遥かなる蹂躙制覇ォオオ!!」
雷を纏わせ、疾走。
神牛が吠え声を轟かせ、渾身の突撃をその巨躯にぶちかます。
「チィッ!!」
だが、浅い。雷は巨大花を焼くもののまだまだ致命傷には程遠く、二頭の神牛による突撃もその体を少しのけ反らせるだけに止まった。
そもそもの重量が違いすぎるのだ。
「ッ!?」
そのまま戦車で駆け、その場を離脱する。
その数秒後、巨大花の長大な蔦の触手が先程までいた場所に襲いかかっていた。
「こっちの攻撃、効くのか、コレ!?」
どうやら蔦は俺だけでなく、後ろの方にも襲いかかっているようだった。
ルルネと呼ばれていた少女の喚く声が聞こえた。
戦車を旋回させ、直行する。
【ヘルメス・ファミリア】の少女が、逃げ惑いながら『魔剣』ーー所謂、魔法を射出する剣のことーーを振るって炎刃を浴びせるがほとんどダメージを与えていない。
のけぞっていた体勢も元に戻し、再び蛇行を始める。
「糞がッ!!」
跳躍したローガが巨大花に向けて上空から蹴りを放つ。
何かの魔法を吸収したのか、威力を増したメタルブーツによる強烈な一撃。
が、体の一部が大きく爆ぜ、モンスターが苦しむ素振りを見せるものの、致命打には遠かった。
俺がとれる攻撃手段は二つ。
さっきのゴルディアス・ホイールによる突撃か、怪魔による物量の攻撃だ。
手綱と本で両手が塞がっている今、武器による攻撃は出来ない。
「やれっ!!」
食人花の足止めをさせていた怪魔のいくらかを巨大花にあてがった。
計十体の怪魔が蛸のような触手を伸ばし、つい先程ローガの攻撃を喰らって痙攣していたモンスターを拘束しにかかった。
「無駄だ!! 巨大花!!」
しかし巨大花は拘束されても尚動きを止めない。せいぜい鈍くなった程度だ。
Lv2のモンスターを相手取れる怪魔達をずるずると引きずり、ついには鬱陶しいとばかりに蔦で怪魔を潰した。
「クソッ、規模が違いすぎたか……っ!」
潰された側から再生する怪魔であるが、対人戦ならともかく、こんな巨大モンスター相手だと、この場に召喚している怪魔全て向かわせないと意味が無さそうだ。
「ふは
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