2部分:第二章
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のであり視線も虚ろに上を見上げている。口をぽかんと開け何も考えていないようだった。
そんな僧侶を見て彼は。首を傾げさせてこう言ったのだ。
「あれは何だ?」
「あれっ、そういえば」
従者もその僧侶を見た。主の言葉を受けてだ。
「あんな場所に僧侶が」
「この国の宗派の僧侶のようだな」
「そうですね。ロシアはロシア正教ですが」
所謂ギリシア正教の一派である。ギリシア正教では世俗の頂点にある皇帝が宗教界の頂点である教皇も兼ねているがこのロシア正教でも同じである。
「その僧侶ですね」
「しかし変わった僧だな」
ルブランは馬車の窓からその僧侶を見ながらいぶかしげな声をあげた。
「あれはまるで」
「白痴ですか」
「それに見えるがどうなのだ?」
いぶかしむものを顔にも出しながら述べるルブランだった。
「まさかとは思うが。僧侶が白痴というのは」
「いえ、そうでしょう」
従者は主のその憶測をその通りだと述べた。
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