第6章 流されて異界
第121話 人生は夢……あるいは
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向ける俺。
数にして数百……には届かないかも知れない。多く見積もっても高校の三クラス程度の見覚えのある青い軍服……例えば小説や映画に登場する近世フランスの銃士隊が着るかのような服装に銃で武装した騎兵。
そう、彼らは一様に銃で武装していた。それもおそらくマスケット銃などではなく、ボルトアクション方式を使用した銃のはず。
ガリアには伊達に俺が居た訳ではない。あまりにもオーバーキルとなる武装。例えばアサルトライフルや機関銃などが今のハルケギニアの戦争に必要とは感じないが、ボルトアクション方式を採用した銃程度なら、無意味な人死には防げる……はず。
少なくとも身内となるガリアの兵たちには。
まして、このハルケギニア世界には未だ黒色火薬しか存在しない。こんな物で発射するマスケット銃など五発も撃てばカスが溜まって使用不能となる。それに前装填式の滑空銃では命中精度も低く、更に言うと現在のような天候。雨などの天候にも左右され易い。
こんな物にガリアの貴重な兵士の運命を担わせる訳には行かない。
……ガリアの軍の編制は変わりつつある。ハルケギニア世界は地球世界の中世ヨーロッパと比べると軍隊へ動員出来る兵力は多い。それは多分、国王……と言うか、領主としての貴族の支配力が強いから。……雑兵として農奴を惜しげもなく前線に投入出来るから、動員出来る兵が多いだけ。
そもそも、未だジャガイモなどの大量に収穫出来る食物がないハルケギニア世界の人口は、中世ヨーロッパのソレと比べてもそう多いと言う訳ではない。
俺の知識の中に有る中世ヨーロッパと、近世と中世の狭間にあるハルケギニア世界とでは。……銃士の時代。近世に入った頃のヨーロッパと比べると、ハルケギニア世界の人口は明らかに少ない。
しかし、何故かガリアは既に常備軍としての騎士団が存在して居り――
但し、騎士一人に従者が二、三人程度。これでは数千人規模の軍を維持するのがやっと。まして、非生産者の数が増えすぎると国が維持出来なく成る。
つまり、無暗に国民を徴兵して前線に送り込める他国と、現在ではそう言う訳にも行かないガリア、と言う状況に成って居る、と言う事。
本来なら空軍、もしくは最低でも砲兵の援護の元に行われるハズの拠点攻略が、百ちょろりと言う少数の騎兵にのみ行われている状況に首を傾げる俺。その俺の瞳に、一群の騎兵の更に前。大体、三十メートルほど前方を走り続ける奇妙な騎兵の姿が映る。
短い蒼の髪の毛。後方に付き従う銃士隊が着用する祭服……カズラやミトラに似た服装などではなく、黒のマントを着用。おそらく、その容姿を語る上でもっとも重要な赤いアンダーリムの伊達メガネを付けているのも間違いない。
ここまでは普段の彼女の姿。
そして、ここから先が違う。本来、彼女に馬は
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