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画家の夢
2部分:第二章
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だから。お金が入ったらね」
「そうしようか。じゃあ今は」
「チョコレートを食べよう」
 向かい側に座ったルートヴィヒにも一個差し出すのだった。
「ゆっくりと待ちながらね」
「そうしようか」
 そんな話をしながら今は画商を待つヒトラーだった。彼は只の画家だった。そうして画家として一生を終えた。その後のドイツの戦乱の歴史も東西の分裂の時代も。画家として過ごした。ナチスという悪夢を横目に見つつそれが全て否定されることも見ながら。


画家の夢   完


              2009・10・20

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