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空気を読まない拳士達が幻想入り
第1話 幻想郷に北斗現る!!
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 自信を持って答えるケンシロウだが、実際には問題しか起こしていないからはた迷惑な事だったりする。しかし、真相を知らない霖之助はそれを聞いて嬉しそうに笑みを浮かべてきた。

「そりゃ助かる。早速で悪いんだけど、家の店番をして貰えないかい? これから物置の整理をしなきゃならないんだ」
「うむ、それ位の事なら任せて貰おう」
「助かるよ。それじゃ少しの間だけど宜しく頼むよ」

 そう言って、霖之助は店の裏へと歩き去ってしまった。霖之助が居た場所に入れ替わるかのようにケンシロウがその場に立つ。
 ケンシロウの目の前には見覚えのあるレジがそびえ立っていた。良く見るとバイトで使っているレジと余り違いは見受けられない。バーコードリーダーがついたごくごく普通の何処のコンビニにでもあるようなレジが置かれていた。

「幻想郷……か。自然豊な良い土地だ。トキ兄さんもここで暮らせば病もきっと良くなるだろう」

 一人ぶつぶつと小言を述べつつしきりに感動の意を表しているケンシロウ。
 そんな時だった。奥の方で扉が開かれる音が響く。そして、同時に聞こえて来る足音。音からしてどうやら一人だけの様だ。

「おいぃっす! 邪魔するぜ、香霖」

 女の声だった。それも子供、つまり少女の分類に位置するであろう声であった山積みされた品物の山の中をかき分けて現れたその姿もこれまた変わった姿、と言えた。
 金色の長髪は決して珍しくはないが、黒いとんがり帽子を頭に被り、黒を基調とした服の上になぜか白いエプロンを着ると言ったこれまたケンシロウの居た世界ではまずお目に掛かれない服装をした少女が姿を現してきた。

「いらっしゃいませ」
「あれ? 香霖じゃない……ってか、誰だお前?」

 どうやら少女はレジに霖之助が居るのだろうと思っていたのだが、宛が外れたかの如くその場に居たケンシロウを見て少しばかり驚いていていた様子だった。
 
「俺の名はケンシロウ。ケンと呼んでくれ。今は訳あってこの店の店番をしている身だ」
「そっか。あたしは霧雨魔理沙ってんだ。こう見えて普通の魔法使いなんだぜ」
「魔法? もしやお前も俺達と同じなのか?」
「へぇ、ケンも魔法が使えるのか。今度ケンの魔法見せてくれよな。っとと、そんな事より……」

 唐突に会話を切り上げると、魔理沙は店内を物色し始める。そして、お目当ての品と思わしき品物を手に取ると―――

「んじゃ、これ借りてくぜぃ」

 と言ってそのまま店を後にしてしまった。
 その一部始終を見ていたケンシロウの脳裏に、ふととある場面が浮かび上がる。
 それは、ある日のバイトの時の事であった。




     ***




「良いか、ケン。万引きには十分注意してくれよな」
「何だそれは
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