第8話
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が弾けなくなっても、音楽には関わる事は出来る。だから、僕はこれからは作曲家を目指すよ。それなら、腕が動かなくても出来るしね。それで、僕の作った曲を皆の前で演奏して貰うんだ。」
恭介は笑いながら言うけど、あたしの耳には殆ど内容が入って来なかった。
「上条君、あれなら大丈夫だね。」
病室を出て病院の廊下を歩いていると、あむがそんな事を言ってきた。
「大丈夫・・・?そんな訳無いでしょ!もう恭介はバイオリンを弾け無いんだよ!!夢が断たれちゃったんだよ!!!」
あたしはあむの胸倉を掴んで言った。でも、あむはあたしを真っ直ぐに見据えながら答える。
「確かに、バイオリニストとしての夢はもう叶えられないかもしれない。でも、ちゃんと新しい夢を見つけられてるよ。」
どうしてそんな分かったような口をきくの?あたしの方が恭介の事は分かってるのに。
「またあんたは。恭介の事をろくに知らない癖にそんな事を言って!!」
あたしはあむを突き飛ばして壁にぶつけると、その場から走り去った。そして、病院を出ると目の前にキュウべえが居た。
「君の願いは決まったかい?」
「うん。決まったよ。」
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さやかちゃんとあむちゃんが上条君の見舞いに行ってる頃、私とエイミーは仁美ちゃんを探していた。
二人と別れてから帰る途中、仁美ちゃんのママから電話がかかって来たの。仁美ちゃん、学校を出てから塾にも行って無いし、家にも帰って無いんだって。だから、友達の私やさやかちゃんに電話を掛けてきたそうなんだけど、何だか嫌な予感がするから、仁美ちゃんを探す事にした。
「まどか、あそこ!」
そして、やっとエイミーが仁美ちゃんを見つけた。私は急いで駆け寄る。
「仁美ちゃん、どうしたの!仁美ちゃんのママが心配してたよ!!」
私が肩を掴んで声を掛けると、仁美ちゃんが振り向いた。その目はとても虚ろだった。それに見覚えのあった私は仁美ちゃんの首元を確認する。そこには刺青のようなマーク“魔女の口付け”があった。魔女の口付けは魔女の呪いを受けてしまった人に現れるもので、これを付けられてしまった人は魔女に操られて自殺したり、犯罪を犯してしまう。
「ごきげんよう、まどかさん。まどかさんもご一緒にどうですか?」
「一緒にって、何処に?」
「とても素敵な場所ですわ。ほら、皆さんもそうですわよ。」
よく見ると、周りには仁美ちゃんと同じように魔女の口付けを付けられた人が同じ方向に向かって歩いていた。
「まどか、誘いに乗って。」
その時、エイミーが私にアドバイスしてきた。
「この人達は一箇所に集まって何かす
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