3話 変態姉弟は実情を知るそうですよ?
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「幼女!最っ高!!」
時は少し遡る。
白夜叉との別れ際に餞別として水樹の苗をもらった。
そのことで黒ウサギはかなりのハイテンションになり、コミュニティに着くなり子供達を総動員し大浴場を掃除した。
そして、たくさんの子供達とお風呂に入るなり、
「さあさあ、みんな並んで並んで♪私が隅々まで洗ってあげるからね♪」
グヘヘ、と笑いながら百子は子供達の身体や頭を洗い始める。
「百子さん。まさかしないとは思いますが、子供達に変な事をしたら許しませんからね」
「えー、黒ウサギ、変な事って何のこと?」
百子はわざとらしく、悪戯っぽく黒ウサギに問いかける。
「それは……、その……、そのままの意味でございますよ」
「まあ、黒ウサギを弄るのは止めましょう。それよりも今は、この至福の時間を堪能したいわ♪」
美顔が崩れるほどニヤケきった幸せそうな顔で子供達と触れ合い続ける。
黒ウサギは一応の安堵を得て、今日の疲れ(主にメンタル)を癒そうと浴槽で寛いだ。
同時刻、本拠の談話室。
「良かったのか、ジン」
「何がですか?」
「一緒に入らなくて?」
「はっ!?な、何を言っているのですか!?」
「だってな、女の子と一緒に入れるのは子供のうちだけだぞ」
「ぼ、僕はもう11ですよ。それに百子さんもいるのですよ!?」
「姉ちゃんなら、むしろ大歓迎だぜ。ジンくらいの歳の子はけっこうストライクだろうしな」
「……それはそれで駄目だと思うのですが」
「姉ちゃんからしたら、愛・恋に歳の差なんて関係……」
百蔵は突然言葉を切る。
真剣な表情になり窓の外を見る。
「お客さんのようだぜ、ジン」
「え?」
百蔵は外に飛び出し、ジンは慌てて追いかける。
中庭にて、
「おーい、そこら辺に隠れているのは分かってるんだ。早く出てこーい」
何とも緊張感のない百蔵の言葉が響く。
すると、数人の獣人たちが姿を現した。
「おお?ぞろぞろと出てきたな。さて、アンタら誰だ?」
「我々は“フォレス・ガロ”傘下のコミュニティの者で、」
「ということは、奇襲ってことか!」
「ま、待ってください。戦う気はありません。貴方達、“箱庭の貴族”がガルドとギフトゲームをすると聞いてお願いに来たのです」
「お願い?」
「けれど、その前にガルドの悪行は知っていますか?」
「悪行だと!?」
「はい。ガルドは魔王の傘下であることをタテに我々を脅したり、子供を人質に取ったりしているんです。そして、今度は人質をタテにコミュニティそのものを賭けたギフトゲームを強制してくるのです。だから、是非とも“箱庭の貴族”様にガルドを倒してもらいたいのです」
ジンはガルドがそんな外道極まるやり方でコミュニティを大きくしていたなんて
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