暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜その少女の歩む道〜
第二話
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いう事言わないのよ、あの子は!」
「仕方ないよ。遥ちゃん、自分のことあまり話したがらないから」
「それにしたって限度ってものがあるでしょうが!」

思わず頬杖をつき、空いた手の指でイラつくように机を叩き始める。
普段の自分ならしない行儀の悪い態度だが、それほど今のアタシは機嫌が悪かった。確かに遥は自分の事を話したがらない子だ。いや、秘密にしていると言った方が正しい。事情を知らない他の人は、アタシ達が七人組の仲良しグループに見えるのだろうが、それは違う。いや、決して間違いではないが、正確に言うのであれば親友と呼べるほど仲いいのは遥を除いたメンバーだけであり、遥との付き合いは、はっきり言えば学校の中だけだ。もちろん放課後一緒に出かけたり休みの日などのプライベートな付き合いもあることはあるが、それも両手で数えられる程度でしかない。確かに中学に上がってから皆やるべきこと───魔導師組は特に───が増え、小学生の時に比べると遊びに行く事が減ったが、それでも多くはないが少なくもない程度の事。そのたびに誘ってはいるのだが、いつも何かと理由をつけて断られている。それがいつも気に食わなかったが、そういう事情があるのなら分らなくもない、分らなくもないが秘密にされた方がもっと気に食わないのだ。

「でも急なアルバイトってあの子ってそんなにお金に困ってるのかしら?」

聖祥大は海鳴市でも名のある私立、当然学費もそれ相応に高額である。こういう言い方は嫌いだが、それなりに裕福な家庭でなければ入学できない。少なくとも、子供が生活費を稼がなければならない状況なら別の学校に行った方が良いぐらいには高額なのだ。

「何でも家の方針?で、学費なんかの必要最低限の養育費以外はすべて自腹らしいわよ」
「それはそれでどうなのかな?」
「だから、定期的に高額なアルバイトをしてるって言ってたわ」
「大丈夫なのアイツ!?」

年頃の女の子の高額アルバイトって嫌な予感しかしないじゃない!

「親の仕事の手伝いって言ってたわね。確か清掃関係の」
「清掃関係の高額アルバイト?高層ビルの窓ふきとかかな?」
「となると、遠見市の方かしらね?」

遠見市は海鳴市の近隣にあり、企業向けの高層ビルの他にも複合総合施設やレジャー施設の設立といった都市開発が積極的に行われ、老若男女問わず近年注目されている都市だ。ウチの会社のオフィスも近日中に遠見市に移転する予定だ。とこの前の夕食でパパが話していた。

「そんな感じらしいわね。詳しい事は聞き出せなかったけど、危険手当も含まれてるから高額らしいわよ」
「余計不安になるじゃない!」
「まぁまぁ、親御さんがいる会社なんだからきっと大丈夫だよ。それに遥ちゃん、今まで一度も怪我して学校来た事なかったんだから」

確かにそんな事は今ま
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