第二百四十四話
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第二百四十四話 天使
お茶を飲みながらだ、今田先生は今日子先生にその喧嘩をしている天使と悪魔のことを尋ねた。至って落ち着いた物腰で。
「それでどんな天使と悪魔なの?」
「天使の方はね」
今日子先生はまずは天使の方から話した。
「顔が四つあるそうよ」
「人と鷲と牛と獅子ね」
「金属みたいな足が四つ、翼が四つ」
「智天使ね」
「そう、その天使でね」
「また位の高い天使ね」
智天使と聞いてだ、今田先生はその目を瞬かせた。
「第二位じゃない」
「そうね、それで悪魔はね」
「どんな悪魔なの?」
「タキシードを着てキザそうな」
「メフィストフェレス?大物じゃない」
悪魔の中で、とだ。今田先生はこう言った。
「タキシード着た悪魔っていったら」
「あっ、メフィストじゃないらしいわ」
「そうなの」
「魔王クラスじゃないみたいよ」
メフィストフェレスが魔界の領主である魔王、レメゲトンに出て来る様な名前のある存在であるとしての話である。
「そこまではいかないけれど」
「タキシードを着てなの」
「それでね」
「相当に魔力のある」
「そうした悪魔みたいよ」
「じゃあどっちもね」
「ええ、喧嘩を止めるにしてもね」
その智天使とタキシードの悪魔の喧嘩をというのだ。
「難しいわよ」
「そうね、智天使も強いし」
「悪魔もメフィスト程じゃないけれどタキシードを着る位だと」
「結構なものだから」
人間の世界で紳士の証であるその服を着る様な悪魔はというのだ。
「厄介ね」38
「そうね、だからね」
「余計にっていうのね」
「私達二人でないと」
それこそというのだ。
「止められないわよ」
「それじゃあね」
こう話してだった、二人で。
その天使と悪魔の仲裁に入ることにした、そのことを決めたが。
今田先生は落ち着いてだ、今日子先生に言った。
「明日からはじめましょう」
「ええ、今日はもう遅いから」
実はもう九時だ、外は暗い。
「明日にしましょう」
「それじゃあね」
こうしてこの日は休んでだ、明日からするのだった。
第二百四十四話 完
2015・6・7
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