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起きて半畳
1部分:第一章
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在であった。彼等を一体どうしていくのかがこの時の幕府の課題であった。何しろ天下にあるもう一つの権勢でありしかも莫大な富と多くの兵、堅固な城を擁していたからである。彼等を意識しないということは今までなかったのだ。
「ですから彼等がいますから」
「天下はまだ完全には」
「そうではないのじゃ」
 だが家康は彼等のその言葉を否定したのだった。
「わしが言っているのはそういうことではないのじゃ」
「といいますと」
「どういうことですか?」
「布団を持って来るのじゃ」
 ここで家康はこう言うのだった。
「布団をな。この部屋にじゃ」
「休まれるのではないですね」
「そうではありませんね」
「うむ、違う」
 そうではないと。こう答える家康だった。

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