3部分:第三章
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すから」
だが彼等は言うのだった。顔を上げて項羽に対して。
「最期まで大王と一緒に」
「どうか。宜しく御願いします」
「・・・・・・わかった」
項羽は涙を流したままその言葉を受けていた。項羽も彼等も最期を共にする気だった。しかし。項羽にはまだ気懸かりが残っていたのだ。
「虞よ」
項羽は傍らにいる虞に対して声をかけた。
「汝は逃げよ。それか漢に下れ」
こう彼女に言うのだった。
「女は。戦で死ぬべきではないのだ」
「いえ」
だが虞は項羽の言葉に首を横に振るのだった。それまで従順だった彼女がはじめて首を横に振るのだった。
「私も。最期まで大王と共に」
「それができないのだ」
項羽はその彼女の言葉を退ける。
「だからだ。去るのだ」
「そう仰ると思っていました」
しかし虞はそう言われても退きはしない。顔を上げたままだった。
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