2部分:第二章
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は乾いた音を立てて床に転がった。しかし項羽の目にはそれはもう入ってはいなかった。
「真か」
「・・・・・・はい」
「わしは楚の王だ」
これが項羽の己への第一の認識であった。確かに彼は天下に覇を唱えた。しかしそれはあくまで楚の者としてなのであった。他の何者でもなかったのだ。
「だが。最早楚は漢のものになった」
今の歌でそう考えた。確信だった。
「それにしても」
「それにしても。何でしょうか」
「大きな歌声だな」
声を聴きながら呻く様にして呟いた。
「楚の者が多いな」
「・・・・・・ですね」
「皆を集めよ」
項羽はまた呻く様にして呟いた。
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