九校戦開催 初日
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なら、次の無月 零の人生に託そう。
繰り返された因果に終止符を、次の俺なら、頼むぞ。
想いを込め、無月 零は目を閉じる。その暗闇の先は、2度と覚める事の無い世界だった。
「調整後のCADと調整前だと結構、差が出るよな」
暇なので呟いた。実質、達也の仕事を手伝ってるが、慣れると作業中に暇を感じる。
中身をイジるのは案外簡単だな、慣れるまで疲れるが。
「所有者の力量と得意魔法を前提に、特徴と技量を合わせれば効果は倍増する。
例えば、珈琲にミルクを足せば更に旨いだろ? アレと同じ原理だ」
解るような、納得するのも悩むが。
まぁ、例えの話だし反論するのもなぁ。
一応、俺は珈琲はブラック派なんだよね。
「調整中のCADを所有者の心臓と考えろ。
そう考えれば質は上がるぞ」
なんか怖いよ、達也。
それ程調整に集中してるのか、と隣の達也の調整を見る。
驚愕の真実。九校戦出場生徒全員分のCAD調整を行っていた。
時間が掛かる訳だ、俺の手伝いなんて必要ないんじゃね?
俺のCAD調整で、無駄な時間を被ったと考えると・・・・・・色々と申し訳ないような。
専用改造と調整は俺の時間を考えて、無理矢理作った時間で、休息の時間を潰してまで達也は・・・済まない。
「零、手が止まってるぞ」
「あ、あぁ」
集中せねば、達也の休む時間を作るんだ!
俺は手伝える範囲で、迷惑を掛けない程度で、達也をアシスタントするのだった。
慣れないCAD調整は疲れた。
ほぼ徹夜状態の俺は適当な服に着替え、午後の予定を思い出す。
頭が回らないな。でも、今日が重要な日ってのは覚えてる。全魔法科高校集合だからな、そんなビックイベントを忘れられる訳ない。一度、仮眠を取ってその後ゆっくり今後の事を考えよう。
まぁ、俺は補欠だし。裏方の仕事をすれば文句言われないだろ。
―――――無月 零は変わりました。
―――――変わってしまった。
―――――あれ程の気迫は消え、最強と謳われた最強の魔法師だった頃の面影は無かった。
―――――久々の対面で、解った。彼は成長したんだ。
―――――人間として生命として進化した。
―――――駄目だよ、それじゃぁ…変われる事は才能だ。
変われないのは人間の特権だよ? 零君
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