宇宙戦艦ヤマト異伝
宇宙の狼
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、あれだけの設備を整えた手腕は賞賛に値する。
火力陣地の要員達から、聞かされたよ。
君が精魂を傾け、不眠不休で施設の構築に奔走した模様をね。
過去の経緯から君を過小評価していたが、眼が覚めた。
次の戦闘が済み次第、謝罪させて貰う。
再言するまでも無いが、総統の命令は遵守する。
次の戦闘で生命を捨てる覚悟など、決めていない。
最後の最後まで諦めず希望を棄てずに戦い、沖田艦長を見習う。
総統への忠誠心に於いて、君は私に負けぬ筈だ。
どんな手段を使っても構わん、私の自爆を阻止してくれ給え。
頼んだよ、ゲール君」
宇宙機雷も数秒後に尽き、無限艦隊が地球を蹂躙する事は避けられまいが。
ゲールは虚脱状態を脱し、光と熱が瞳に戻っている。
「無限艦隊、接近して来ます!」
観測員の絶叫が響き、スクリーン上の艦影《シルエット》が急速に拡大。
ドメラーズ2世の艦橋に緊張が走り、誰もが迫り来る破滅の足音を聞いた。
総統府の面影を残す旗艦、私の乗艦、駆逐艦4隻の眼前で機雷の防壁が崩壊する。
その、とき。
其の時であった。
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