宇宙戦艦ヤマト異伝
火星の砦
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺と同じ体型になるまで放免せん、覚悟しろ!!」
各自の定位置に着席した要員が爆笑、指揮官の冗句に応え腹の底から哄笑を響かせた。
司令室を爆笑の渦が包み動力部や砲塔室、各部署に波及。
「自分が操作を代わります、副司令官殿。
主管制席に御移り下さい、基地機能の維持は俺達が何とかします。
火星司令部から安否確認を受信、返信不能ですが通信関係施設も修復中。
目に物見せてやる、ガミラスの意地ってもんを奴等に叩き付けてやりやしょうぜ」
「ディモス基地の応答は皆無、フォボス反射衛星砲も完全に沈黙しました!
反射衛星は残存していますが戦闘衛星は爆発、ハンター衛星も全滅です!!」
火星地下要塞、対宙防衛陣地指令室に絶叫が響く。
「宇宙空間の戦闘は、これまでだな」
冥王星《ハデス》前線基地の司令官、改め火星防衛軍の指揮官シュルツが呟いた。
太陽系外周部を巡る第11番惑星、準惑星エリス近傍と衝角攻撃の記憶が鮮明に甦る。
火星大気圏周辺は無限艦隊が制圧、2個の月面基地は通信不通。
地球人に倣い地下要塞を急造したが、何処まで耐えられるか。
だが再度の機会を与えてくれた女神への感謝、借りは返さねばならない。
総統は不甲斐無い自分を信頼し新たな故郷、火星の防衛軍を任せてくれた。
『我等の前に勇者無く、我等の後に勇者無し』と大口を叩いた以上は後に退けない。
口は災いの元と戒める諺もあるが、今度こそ期待に応え最善を尽くす。
主力艦隊は水星方面で戦闘継続中、連絡が途絶し救援は望めないが。
ガミラス宇宙軍の名誉に懸け最後まで諦めず、1隻でも多くの敵を倒すのみ。
女神の教えを遵守し、報恩の念は行動で示す。
最後の最期まで未知の可能性を探り、突破口を切り拓く希望は棄てない。
折れ掛かる心を立て直した直後、眼も眩む目映い閃光が絶望の闇を切り裂いた。
走査員《スキャナー》の絶叫、歓声の声が総司令部に響き渡る。
「反射衛星砲が復活、敵艦隊を次々に撃破!
通信回路は不通ですが発光信号を確認、射撃目標の指示を求めています!!」
「衛星から敵の眼を逸らす為、赤道方面の衛星軌道上に敷設した機雷を爆破せよ!
両極付近の敵艦を砲撃、後は自軍基地の安全を優先せよと伝えろ!!」
宇宙戦艦ヤマトへ突撃を命じた際、消極的な副官の顔を過った驚愕の表情。
太陽系防衛戦では献身的に働いてくれた忠実な漢の鮮明な笑顔が、脳裏に甦る。
「反撃《カウンター・アタック》だ、ディモス基地周辺の敵を撃滅せよ!
エネルギー光線反射剤を塗布した切り札も投入、敵の注意を引き付けよ!!」
「了解《ラジャー》、光線反射式噴進弾を連続発射!
地下基地の座標を秘匿する為、自己誘導弾から先
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ