第4章
停止教室のヴァンパイア
第94話 裏切者と災禍の盟主と真相
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「運命と言うは残酷だとは思わないか?」
「……何ぃ?」
「俺は魔王の血を引きながらドラゴンの力を得た最強の存在。なのに、君はただの人間。悪魔に転生するまでの君はあまりにも普通の高校生だった。つまり、赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)以外、何も無い。つまらん。あまりにつまらな過ぎて笑いが出たよ。ライバル同士の神器(セイクリッド・ギア)とは言え、俺達の間には天と地以上の開きがある。いや、あり過ぎた」
「……だからどうした…!」
「いっその事、君をここで殺して、次の宿主に期待した方が良いかもしれないな?」
「っ!?」
この野郎ッ!言いたい放題言いやがって!
ヴァーリの言葉に俺達は身構えようとした瞬間、場違いな声音の声がその場に割り込んできた。
「そう結論を急ぐ事は無い、ヴァーリ」
声がした方を見ると、一人の男がこちらに歩み寄って来ていた。
その男の事をヴァーリを除く他のみんなが訝しんでいる中、俺だけが呆気に取られていた。
金髪の端整な顔立ちの中年の外人の男。
「やあ、Boy♪あの時、私が言った通り、また出会えたね♪士騎明日夏君♪」
あの時と同じく、フレンドリーな話し方。
その男は先日、ユウナ、ライニーと再会した日に、二人と出会う前に出会った、この町の観光をしていたと言っていた男だった。
な、なんだ、あの男、明日夏の知り合いなのか…?
ヴァーリが裏切者で、実は魔王の血筋で、運命がどうのと、赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)以外俺には何も無いなんて嘲笑って、頭の中が色々とこんがらがっていた所に変な男が現れたせいで、余計頭がこんがらがってきた。
当の明日夏は呆気に取られている様子だった。
「ッ!」
って、明日夏が持っていた刀を逆手持ちにして構え、男を睨み付ける!
「おやおや、いきなり物騒だねぇ。あの時の真摯な君はどこに行ってしまったのだね?」
「……何者だ!」
「質問に質問で返すなんて、無粋だねぇ。ただの観光者だよ、Boy♪」
「ただの観光者がこんな所にいるはず無いだろ!何より、俺はあんたに名前を名乗っていない!」
「おっと、これは!私とした事が、ミスをしてしまうとわ!?」
大袈裟に驚いているけど、ぶっちゃけ、絶対に驚いていない!
明らかにわざとだ。
そう思ってしまう程、あの男の態度が白々しい。
明日夏はその態度にますます、イライラを募らせていた。
「まあ、良い。では、名乗らせてもらおうか。私はレイドゥン。レイドゥン・フォビダーと言う。以後、お見知りおきを」
そう言って、深々とお辞儀をする男、レイドゥン。
「そうだ、Boy。君のお姉さんにはこう名乗った方が良いかな?」
「?」
千春さんがレイドゥンの言葉に訝しんでいた。
「災禍の盟主(カラミティ・キング)と」
「っ!?」
その名を聞いて、千春
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