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アンジュラスの鐘
8部分:第八章
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はそうと」
「それをどうするんですか?」
「見てみたいのですよ」
 彼は言った。
「それが一体何なのか」
「何も出ないに決まってますよ」
「いえ、出ます」
 だが彼は諦めてはいなかった。
「ですからきっと」
「それじゃあわかりました」
 老人も彼があまりに強く言うので観念をした。
「人とスコップやツルハシを持って来ますので」
「私の分もお願いします」
「神父様も掘り出されるのですか?」
「はい、それが何か」
「何かって、くたびれますよ」
 老人はそう言って神父を止めようとした。
「この暑さですし。それに力仕事ですから。神父様には」
「こういう仕事には慣れているのですよ」
 だが神父はその言葉は笑顔で退けた。にこりと笑ってそう述べたのであった。
「私は若い頃修道院にいまして」
「修道院ですか」
「ええ。そこでは畑仕事とかも多かったですから。慣れているのですよ」
「そうだったのですか」
「はい、ですからお願いします。むしろ」
「むしろ?」
「私もスコップやツルハシを持って来るのを手伝わせて下さい」
「いいんですか?それも」
「私が言い出したことですから」
「わかりました、じゃあ御付き合い下さい」
 老人も神父の言葉に心打たれた。そこまで言うのなら、と思ったのである。

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