狂乱者−バーサーカー−part1/闇に誘われる少年
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ガーゴイル。それはレコンキスタを統率する偽虚無の担い手であるクロムウェルの使い魔を騙り、彼を通してレコンキスタを影で支配していた謎の女、シェフィールドの使役する悪魔を象った石の人形。
奴は常に自らの目的のために闇の中から光の差す場所を監視し続ける。その目に移る世界は、常にシェフィールドに通っていく。
「ゼロ、そしてネクサスの人間体…」
ウェールズがアンリエッタを連れ去った、後に王女誘拐事件と呼ばれる騒動の最中、彼女はある場所から、ガーゴイルの目を通してサイトやシュウの動きを常に観察し続けていた。
「ゼロは主だけでなく、自身の身を忘れない。さらには伝説のガンダールヴの力を持ち、変身後に至っては肉弾戦にも長けるオールラウンダー。
対してネクサスの方は、緊急ならば人前で堂々と変身し、己を省みない力押しの戦い。根性は座っているとはいえるし、ゼロよりも場数を踏んでいるようだけど…」
ガーゴイルの目に映る先のヴィジョンにて、二人が変身し、さらにグレンファイヤーが現れ、メフィスト・ガルベロス・そしてミラーナイトと3体3の激闘を繰り広げる。
「ご主人様はしばらく泳がせても構わないとは言っていたけど、彼らがいずれ我らの野望の邪魔となるのは明白。今の内に、処分しておくことに越したことは無いわね。
しかし、今回アンリエッタを連れ浚い、操って裏からトリステインを乗っ取りつつ奴らを始末する作戦は失敗したか…」
「いかがいたしますか?」
クロムウェル―ただし、彼に成り代わった擬態―がシェフィールドに問う。
「今回はグレンファイヤーという不測の事態もあったし、一度に同時始末するのが間違いだった。奴らは一人ひとりが精強、そして一つになると強敵。
しかし一体だけならたとえどんなに強くても、策を講じれば力の差を埋められるわ。
まずは、ネクサスの方を叩いておきましょうか。彼の戦闘データも集めておきましょう」
「メンヌヴィル殿には何もおっしゃらないので?」
「彼からの情報が入ったわ。ネクサスの変身者の潜伏先に、利用価値のある奴がいるそうよ。恐らく、奴も独自でネクサスの動きを探っていたのかもしれないわね。実際、情報通りガーゴイルを飛ばして観察したら、一人面白い子供がいたのよ」
そう言った時の、シェフィールドの目に移るガーゴイルの視界の中に、木陰からシュウと、披露した彼を運ぶテファを睨むサム少年の姿が見えていた。シェフィールドにはわかる。あの目からは、マイナスの感情が溢れている。厄介な相手を始末するのに利用しないわけがない。
「それともう一つ、グレンファイヤーのことも含めた奴らの動向と対応ね。まずは…」
ふと、シェフィールドは自分とクロムウェルとは別の新たな気配を察し、一旦ガーゴイルから、自分の視界を元に戻し振り向く。
「あら、あなた…トリステインの方に行ってたの
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