暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part1/闇に誘われる少年
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らしは、まるでキャンプしているかのようで過ごしやすかった。その矢先にこの村を離れることになろうとは。しかし無理もない。またここに、あのような盗賊が現れないという保証もない。それに、この国はレコンキスタが使役した怪獣による被害が出てしまっている。いつまでもビーストの巣窟も同然のこの国に留まるのは危険だ。
「しかし引越し先の目処は立っているのか?」
「とりあえず、トリステインに行くって。そこも危なかったらゲルマニアに住むことにするそうよ」
トリステインもトリステインで、危険度がある。あそこはすでに怪獣被害の起きた国だ。ハーフエルフであるテファのこともあるし、出現例の確認されていない森の中に住むことになる。一方でゲルマニア。確かまだ、あそこは怪獣の出現例がほとんど無かったはずだ。しかしトリステインよりもはるかに遠い。候補としては、まだトリステインよりも弱いほうだ。
(少し長い旅路になりそうだな…)
スープを吸い終え、シュウは皿をテファ手渡し、ベッドに背中を預けて天井を見上げる。
「スープおいしかった?」
「ああ…ご馳走様」
エマがベッドに身を乗り出してシュウに尋ねると、彼は素直に頷いた。
テファは彼のベッドの傍らの机の引き出しの方に目を向ける。リアルに描かれた絵(=写真)。そこに描かれた、彼の知人と思われる人たちや、惨状を映し出した光景。
シュウがこの世界に現れた際に一緒に持っていた所持品がしまわれている。彼女は今でも気になっている。
「そういえばティファニア。マチルダさんから聞いたが、人のものを漁るのは感心しないぞ」
彼女の視線がどこに向かっているのか気づいたシュウは、以前マチルダが教えてくれた、村にいない間のテファが自分の荷物を見ていたことを指摘する。
「え…き、聞いてたの?」
「ああ。今回は許すが、次は止めてくれよ?」
「ご、ごめんなさい…」
知りたいという好奇心がかえって彼を不快にさせてしまったようで、テファは焦る自分を反省した。盗賊から自分を助けてくれた後の彼は村の子達の遊び相手をできうる限りしてくれていた。しかし一方で焦りたくもなるだろう。シュウは仕事のことも、目を放している間にどこへ行っているのかも、何も言ってくれない。何かを隠している態度を通している。
「……」
一方で、さっきから黙り続けているサムはジロッとシュウを見ていた。
テファ姉ちゃんがお前なんかを心配してやっているのに、何だその態度は。お前はそんなに偉いのか?たかが使い魔のクセに。新参者のクセに。ぐ…と手に力を入れる。
「…なんか疲れてきたな。少し寝る」
「しっかり休んでね」
「ああ…」
頷くと、シュウは背中を布団に預け、身を毛布でくるませ目を閉じた。そして1分も経たない内に眠ってしまった。
「シュウ兄、もう寝ちゃった」
「ええ、よほど疲れ
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