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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part1/闇に誘われる少年
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っきだってあいつの屋敷からちょいと盗んできたし、一人二人増えたところで問題ないさ』
少年は行く宛てが無かった。ほぼ流される形とはいえ、彼は女についていった。
突いた先は、小さな村…だろうか。一世帯の家庭が済める程度の小屋が立っているだけで他は何もない。
『今戻ったよ〜』
『あ、お帰りなさい!』
女が小屋の方に向けて呼びかけると、中からもう一人少女が迎えに来た。サムは目を疑った。年上のようだがまだ10代に差し掛かったばかり。しかし幼い少女の容姿と黄金の頭髪はとても美しかった。ただ一つ代わっていると思ったのは、彼女の先のとがった耳だった。とはいえ、それ以上に彼は少女の美しさに見ほれていたこと、そしてエルフがこの世界で々思われているのかも知らなかったので恐れを抱くことは無かった。
『あら、この子は?』
『行く宛てがない可愛そうな子だよ。あんたを一人で待たせるのもちょっと寂しくさせそうだからね。この村の新しい住人として迎えようと思って連れて来たんだ』
女もエルフである少女の境遇の危うさを知っていたに違いないが、この少年の少女を見る姿が敵意でないこともあったし、何より名前さえ持っていないということは知識もほとんど持っていないということ。だから少女が恐れられることは無いだろうと予想していた。そして少女はエルフの血を引くために、このローブの女がいない間は一人である。少年の行く宛てが無いこともあり新しい住人として村に置こうと考えた。
『そうなの。ありがとう、姉さん。お話しする相手が欲しかった頃だったの』
行き成りの来訪者に少女は決して迷惑に思わなかった。寧ろ、新しい住人が北と言うことに喜んでいた。
『私はティファニアっていうの。あなたのお名前は?』
『……』
名前をまた尋ねられたが、少年は答えられない。
『実はね、この子名前が無いみたいなんだ』
『え?』
『おそらく親が物心着く前に死んじまったか、又は捨てられたかもしれないね』
女は名前さえわからない少年を可愛そうに思っていた。無論金髪の少女も同じだった。
『だったら名前をつけてあげよう?せっかくの新しい村の仲間だもの』
少女の提案で、少年に新しい名前がつけられた。
『じゃあ…あんたの名前は、サム』
『…サム?それが…僕の名前…』
これは数年前のアルビオンでのちょっとした出来事、でも小さな世界で生きてきた少年にとってはとても大きな転機だった。
すでに盗賊として活動していた、少女時代の土くれのフーケことマチルダ・オブ・サウスゴータと、このときは名前さえ持っていなかったサム少年の出会い。
サムはその後、決して盗みをすることはなかった。盗む理由をなくしたからだ。テファとすごす日々、そして仕事の都合で村を開けることが多かったが、時折帰ってくるマチルダの優しさに触れて、黒く染まっていた少
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