暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part1/闇に誘われる少年
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た。しかもただ帰ってきただけでなく、奮発して購入して北と言う大きな天幕付き荷馬車を引っ張りながら。
「さて、みんな。荷物を積んで」
「「「はーい」」」
子供たちはマチルダにいわれたとおり、生活必要な毛布や布団、服、その他の生活用品や、人形など自分の手放したくない宝物を馬車に積んでいった。村の人間8人分の荷物となるとそれなりの量だが、最低限のものに絞りつつ積んでいくことで、なんとか積むことができた。
と、マチルダはシュウの姿が無いことに気づく。
「おや、シュウはどうしたんだい」
「シュウ?なんだかすごく疲れてたみたいだから、今はサムが見ていてくれてるの」
「サムが?」
マチルダも、さっきのテファやエマと同様に目を丸くした。サムはシュウのことを嫌っていたのに、どういう風の吹き回しなのだろうか。
「…ちょっくら見てくる。テファ、他に忘れ物がないか皆と見ておいで」
「うん、わかった」
マチルダはテファにそう言い残し、一度小屋の方へ足を運ぶ。
シュウは、思ってみれば勝手に自分たちが呼び出してしまった身でありながら、この村のために彼なりに良くしてくれていた。そして同時に、自身に授けられた強大な力におぼれることもなく、正しいことのために彼は光の力を行使し続けてきた。しかしそれをずっと続けていられるほど頑丈ではなかったらしく、疲れがたまってしまったのだ。何か、労いの言葉でもあげよう。
以前自分が使っていたシュウの部屋を開ける。テファの言う通りなら、部屋には疲れて眠っている。彼女は部屋の扉を開けて中の様子を見る。
「サム?」
…が、妙なことがあった。まだ眠っているシュウがいるが、彼を見ているはずのサムの姿がどこにもない。それに、ベッドの傍らの机の引き出しが開けっぱなしだ。
マチルダは、長年の勘からか嫌な予感を感じた。開けられた机の引き出し。それに、よく見ると壁に枯れられた彼の上着が乱れた状態になっている。そう言えば、シュウは常にあの服の胸の内ポケットに、巨人になるための短剣を隠していた。
「まさか!」
彼女はシュウの上着を取り、そのポケットを探る。悪い予感が的中した。エボルトラスターとブラストショットの両方がなくなっている。だが、あのシュウがここまで不用心になるのか?いくら同じ村の住人であるサムだとしても、自分が大事に持っていなければならないものの盗難を許すはずが…!
もしやと思い、杖を取り出して軽く詠唱し探知魔法『ディテクトマジック』を唱える。さらに悪い予感が的中。シュウ自身の体から反応があった。
「まさか…睡眠魔法を…!?」
そうなれば、盗まれたことにも説明が…いや、おかしい。サムは平民だから魔法など使えないはずだ。ましてやテファだって使えるはずもない。それとも、あいつ自分がメイジだったことを隠していたのか?いや、まさか。だったら
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