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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part1/闇に誘われる少年
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では?」
そこにいたのは、以前黒いフードに身を包んだメンヌヴィルと共にシェフィールドたちと会っていた女だった。この日もまた以前と同じ、素顔を覆うほどの黒フードを被っていた。
「『人形』がもうじき再起動できるので、その報告に来ました。それと一つ…」
「一つ?何かしら」
「できれば、彼…ネクサスは殺さずに置いてくださいませ」
的であるはずの、シュウを殺すなという言動にクロムウェルは目を細めた。
「なぜだ!?ウルトラマンが我々の計画にとってどれほど邪魔なのか知ってて…」
シェフィールドが憤る彼に手をかざし、一度黙るように命じると、その詳細を女に尋ねる。
「殺さずに?メンヌヴィルが文句でも言いつけてきたのかしら?彼はネクサスと戦い足りていなかったみたいだから」
「いえ、生かしておいたほうが都合がいいからです。なぜなら、彼『も』…」
「『供物』だから、かしら?私たちが求めているものとはまた別の…」
「ええ。あなた方が求めているもの、そして我らが求めている…もう一つのもの。それらが一つの力となれば、たとえいかに強い光が差し込もうと、決してそれを照らすことはできません」
「……」
シェフィールドと、女の間に奇妙な沈黙が走る。決して厚い友情などで結ばれた間柄ではない。本来は別の道を歩んでいるもの同士があくまで利害が一致し、互いのために協力し合っている…それだけの関係。もし片方が自分たちに害を成すようなことをすれば、その途端に対立する、実に不安定な関係でもあった。
「ところで、人形がじきに動かせるようになると入っていたけど、私が頼んで置いたトリステインでの作戦の方…忘れていないかしら?」
「まさか。しっかり準備の方を進めておいております。もう一つあなたが頼んでこられたゼロの戦闘データ収集も兼ねてね」
「そう、それはよかったわ。…そうだ、閣下。あの虚無の担い手とかかわりのあった怪獣はどうかしら?」
「…手を焼かされております。言うことを聞かせようにも、暴れだしてこちらに負傷者を出させて…お預かりした『バトルナイザー』だけで言うことを聞かせるのも限界かもしれません」
「そう…。以前はバトルナイザーの力のみで抑え込ませていたけど、まあ少なくとも今回あいつは使えないと言うことね。たかが獣の分際で、飼い主のいうことも聞けないようじゃ仕方ないわ」
ふぅ、と息を吐くと、シェフィールドは全員の方へ振り返った。
「『あの方』がお目覚めになる前に、我らの計画を完遂させ、邪魔者を排除する。各自作戦に当たりなさい」
自分たちの目的を完遂させ、我らの主の心を満たすため…。
シェフィールドたちは再び動き出す。自分たちの行動が、世界にどれほど歪みきった影響を与えることも厭わずに。


少年は空に浮かぶ浮遊大陸に存在する国の人間。その国は王党派と貴族派の二派
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