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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第2章 夜霧のラプソディ  2022/11
17話 見えていなかったもの
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は既に犠牲者を出してしまっている。つまりは、レアアイテム入手におけるリスクの高さを知っている事になる。俺は当初、彼女達がリーダーと呼ばれたプレイヤーの死因を調べているものだと推測していた。しかし、それは彼女達の《特殊スキルを知っていた》という証言で否定されている。それでもなお、人数に補充も加えずに森へ向かう理由はやはり………


「あの三人、また森へ行ってないだろうな………」
「昨日の女の子達、だよね?」
「やっぱり、リンちゃんも気になるカイ?」
「真偽も定かじゃない人為的に撒かれた情報で、その情報通りに死んでるやつがいるんだ。胡散臭いなんてもんじゃないだろ」


 それに、レイ達の拠点から出た時、俺は間違いなく何者かと接触している。
 あれは恐らく、レイ達を監視している。完全にターゲットとして見ている。だからこそ、レイ達を嗅ぎまわった俺に警告する意味合いで接触してきたのだと、今ならばそう考えられる。それらを加味した上で行き着くのは、ある一つの答えだった。


「ヒヨリ、アルゴ。レイ達のところに行くぞ。あいつらを止める」
「レイって、昨日の? 止めるって、森に行くのをだよね? 良いけど、でも、どうしたの?」
「あまり考えたくはなかったけどな、あいつらは多分PKに貼り付かれてる」


 俺の言葉に、アルゴは険しい表情を作るものの、ヒヨリは首を傾げてアルゴに視線で助けを求める。


「《プレイヤーキラー》だヨ、ヒヨリちゃん。プレイヤーを殺すプレイヤーの事をそう言うンダ」
「………じゃあ、あの子達って、死んじゃった子も………もしかして………」
「プレイヤーによって、人為的に殺された可能性がある。ってことだ」


 言いながら、アイテムストレージに眠っていた《アニールブレード》とタワーシールド《ジレーザ・シヤーニエ》を壁に立て掛ける。これからもう一度遠出をするのに、こんな荷物は持っていられない。事実、重量の上限に差し掛かっていた所為で移動には難儀したものだ。


「………行くぞ。死んだプレイヤーはどうしようもないが、生きてるやつなら話は別だ」
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