1期/ケイ編
K12 光線と銃弾
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、チケット指定の席に座って翼の登場を待っていた。
隣り合って座る響と手を握り合い、祈りの形に指を絡めて。
互いにもう片方の手には、青いサイリウムを持って。
(楽しんで来いって言った。行ってらっしゃいって言った。だからケイは絶対帰ってくる)
会場の灯りが落ち、スポットライトが舞台袖を照らした。
スポットライトに照らされながら、新曲の伴奏が鳴る中、風鳴翼がステージに登場した。登場だけで、観衆は歓声を上げた。
――2年前のツヴァイウィングのライブ。急用が入って未来は行けなかった。響と一緒に楽しく出かけて、楽しく帰ってくるはずだったのに、できなかった。
(これはわたしの戦いでもあるんだ)
座席にサイリウムを押しつけて折り、青い光を灯す。会場がたちまち青い光で満ちた。
ついに翼の歌が始まった。
「 『デジャヴみたいな感覚 繊細みたいなプラトニック』 」
その歌声が発された瞬間、未来の胸に荒れていた感情の嵐が吹き飛んだ。
ただただ翼の歌声に魅了された。気圧された。全身に鳥肌が立った。
(ドキドキして、目が離せない。すごい。これがライブなんだ)
「翼さーん!!」
隣の響が頬を紅潮させ、サイリウムを振って翼を呼んでいる。
(帰ろう)
未来もまた友人に手を振るように、青く光るサイリウムを振った。
(目一杯楽しんで、響と帰って、すごく楽しかったって、笑ってケイにただいまを言おう)
ケイが倉庫街に到着した時、現場はすでに炭と硝煙のにおいで満ちていた。
蛇口の付いたビル型ノイズを筆頭に、通常サイズのノイズが群れている。そのノイズの群れと雪音クリスが、イチイバルのギアを纏って、ガトリングやミサイルで戦っていた。
ネジ型ノイズが頭上からクリスに落ちようとしている。
ケイはバイクを降り、プリズムレーザーの照準を合わせ、レバーを引いた。翠の中粒子ビームがネジ型ノイズを貫き、炭素分解させた。
走って行きながら、サーベルモードにしたアームドギアで、向かってくるノイズを斬り捨てる。
どうにかクリスの近くまで行くことができた。
「あんた……っ」
「悪いけど勝手に助太刀させてもらう」
サーベルをレーザー砲に戻し、レバーを引いた。
これだけ群れていれば照準を合わせる必要もない。右から左へ180度、プリズムレーザーを発射したまま薙いだだけで、群れのほとんどが炭化した。
討ち漏らしに対処する前に、それらのノイズを弾丸とミサイルが撃ち抜いた。
「貸し借りはなしだ!」
クリスなりの援護だった。
クリスがノイズを足止めしている間に、再びレーザー砲をサーベルに変え、歌ってフ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ