暁 〜小説投稿サイト〜
K's−戦姫に添う3人の戦士−
1期/ケイ編
K12 光線と銃弾
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、チケット指定の席に座って翼の登場を待っていた。

 隣り合って座る響と手を握り合い、祈りの形に指を絡めて。
 互いにもう片方の手には、青いサイリウムを持って。

(楽しんで来いって言った。行ってらっしゃいって言った。だからケイは絶対帰ってくる)

 会場の灯りが落ち、スポットライトが舞台袖を照らした。
 スポットライトに照らされながら、新曲の伴奏が鳴る中、風鳴翼がステージに登場した。登場だけで、観衆は歓声を上げた。

 ――2年前のツヴァイウィングのライブ。急用が入って未来は行けなかった。響と一緒に楽しく出かけて、楽しく帰ってくるはずだったのに、できなかった。

(これはわたしの戦いでもあるんだ)

 座席にサイリウムを押しつけて折り、青い光を灯す。会場がたちまち青い光で満ちた。

 ついに翼の歌が始まった。


「 『デジャヴみたいな感覚 繊細みたいなプラトニック』 」


 その歌声が発された瞬間、未来の胸に荒れていた感情の嵐が吹き飛んだ。
 ただただ翼の歌声に魅了された。気圧された。全身に鳥肌が立った。

(ドキドキして、目が離せない。すごい。これがライブなんだ)


「翼さーん!!」

 隣の響が頬を紅潮させ、サイリウムを振って翼を呼んでいる。

(帰ろう)

 未来もまた友人に手を振るように、青く光るサイリウムを振った。

(目一杯楽しんで、響と帰って、すごく楽しかったって、笑ってケイにただいまを言おう)





 ケイが倉庫街に到着した時、現場はすでに炭と硝煙のにおいで満ちていた。

 蛇口の付いたビル型ノイズを筆頭に、通常サイズのノイズが群れている。そのノイズの群れと雪音クリスが、イチイバルのギアを纏って、ガトリングやミサイルで戦っていた。

 ネジ型ノイズが頭上からクリスに落ちようとしている。

 ケイはバイクを降り、プリズムレーザーの照準を合わせ、レバーを引いた。翠の中粒子ビームがネジ型ノイズを貫き、炭素分解させた。

 走って行きながら、サーベルモードにしたアームドギアで、向かってくるノイズを斬り捨てる。
 どうにかクリスの近くまで行くことができた。

「あんた……っ」
「悪いけど勝手に助太刀させてもらう」

 サーベルをレーザー砲に戻し、レバーを引いた。

 これだけ群れていれば照準を合わせる必要もない。右から左へ180度、プリズムレーザーを発射したまま薙いだだけで、群れのほとんどが炭化した。

 討ち漏らしに対処する前に、それらのノイズを弾丸とミサイルが撃ち抜いた。

「貸し借りはなしだ!」

 クリスなりの援護だった。

 クリスがノイズを足止めしている間に、再びレーザー砲をサーベルに変え、歌ってフ
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