第152話 劉表動く
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「迎えを送りますか?」
「迎えをやるだけやってみろ。秋佳が大した情報を持っているとも思えんしな。案外、簡単に連れ帰ることができるかもしれん」
劉表は考え込むと口を開いた。
「飛鳥様が秋佳に役目を与え襄陽から出ていけるように命令書を書けば大丈夫ではないでしょうか?」
「そんなことはしなくていい。静陽に余計な警戒をされるだけだ。秋佳を迎えに来たと伝えればいい。水軍の指揮権の剥奪の話は秋佳を取り戻してからにしろ」
「わかりました。そのようにいたします」
?越は劉表の指図に従い拱手し、部屋から出て行こうとした。
「待て」
劉表は?越に凛とした声で制止させた。?越は劉表の方を振り向く。
「迎えの兵にはもし秋佳を連れ出せそうにない場合、宜城に戻らず劉車騎将軍の元に向かえと伝えておけ」
「何故、劉車騎将軍の元に。どうせ門前払いになるだけでけでは?」
劉表の言葉に?越は訝しんでいた。
「荀侍中が南陽郡宛城に向かっている。今から早馬を出し私からの文をお預けする。『私の姪が愚妹の元から逃亡しようとしています。私の方で姪を助けだせない場合は代わりにお助けくださいませんか?』とな」
「罠と思われるのではありませんか? わざわざ敵陣に深く入る愚を犯すなどありえないでしょう。劉車騎将軍に何の利益があるのです?」
「利益はないであろうな。だが、私が静陽と距離を置きたいと思っていることは伝わるだろう」
「逆に謀略と取られる可能性があります。ここは余計なことをせず荀侍中の返事を待ってはいかがでしょうか?」
「そうだな。余計なことをすべきでないな」
劉表は?越の進言を聞き黙考すると?越の考えに従った。
「飛鳥様、ご心配は杞憂です。静陽殿にとって秋佳は義理とはいえ姪ではございませんか。こちらから迎えを出せば姪が宜城に帰ることを止めるとは思えません」
「静陽は劉車騎将軍と戦をするつもりでいるのだぞ。襄陽の内情を知る秋佳をおめおめと城の外に出すものか? 劉車騎将軍に秋佳が拘束されれば最低でも先導役として使われると思われるだろう」
「まるで私達が静陽殿の敵のような申しようではありませんか?」
「違うのか?」
劉表は?越の発言に拍子抜けしたような様子だった。
「私達は静陽殿と距離を置いています。それは仕方のないことです」
「それが答えだ。私達が及び腰であるのを向こうも承知しているだろう。逆に静陽が兵を集めていることも私達は承知済み。襄陽と宜城は近いのだから互いの状況はある程度わかる。静陽は私達を警戒しているかもしれん。その証拠に静陽に宜城に来て説明しろと言っているが一向に来る気配がない。敵ではないが味方でもないといったところであろう」
「静陽殿は宜城に近づこうともしませんね」
劉表の指
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