マブラヴ
1031話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
量産型Wからされた報告に、思わず眉を顰める。
「アンバール基地だと? それは確かか?」
「はい。既に実働班が相手を確保するために動いている模様」
アンバールハイヴを担当していたのは、確かスレイとエキドナ、それとレイだったな。
戦力としてはエキドナのヴァイサーガが1機に、スレイとレイのシャドウが2機、それとメギロートとイルメヤがそれぞれ10機ずつ。
BETAの一個大隊であっても余裕で駆逐できる戦力だけに、身の安全に関しては特に心配していない。
襲撃して来たテロリストの対処もそう難しい話ではないだろう。テロリストの戦力は、アンバール基地から盗んだリニアガン・タンクとガン・ルゥ、それと戦術機。
元々テロリストどもが保有している戦力があるかもしれないが、あったとしてもそれ程多くはないと思われる。
BETAを相手にするのならともかく、シャドウミラーの実働班を相手にするのはまず不可能だ。
……だが、問題はそこではない。
何故アンバール基地を襲撃した?
前回の襲撃でアンバール基地を一時的にせよ占拠した。そんな真似をされた以上、当然アンバール基地を拠点としている中東連合軍やアフリカ連合軍、そして国連軍にしても、相応の防衛戦力を割いているというのは分かる筈だ。
それを考えれば、ここで敢えてアンバール基地の近くを襲撃する理由はない。それこそ、オペレーション・ルシファーで攻略した新しい基地を狙えば、防衛戦力はまだ完璧じゃないし、基地化そのものも現在進行形で行われている最中だ。
当然アンバール基地を始めとした他の基地よりも索敵能力を含めて非常に低い。
テロリスト共も、当然それは承知している筈だが……何故、ここで再びアンバール基地なんだ?
あそこに何かあるのか?
それとも単純に勝手知ったるって理由なのか? 何しろ、前回占領しているだけにあの周辺に関しては色々と調べてあるんだろうし。
それに、現在のテロリストの連絡手段は基本的に伝令の類だ。手紙とかを使うにしても、当然郵便局に出すとかしている訳ではなく、テロリストの者達が自分達で運んでいる筈だ。
そんな風にアナログ的な方法で連絡を取っていれば、確かに隠密性に関してはかなりのものだろう。実際、この世界でテロリスト共を追っている警察組織やら軍隊やらでもまだ捕まえているのは末端でしかないという事を見れば明らかだ。
だが……テロリスト共はその代償として入手出来る情報の種類や鮮度に限度がある。
それはそうだろう。本来であれば情報を集めて通信で報告すればいいだけなのに、わざわざ本拠地なり専用の施設なり、あるいは専門の人員のいる場所まで移動して入手した情報を報告しなければいけないのだから。
それを考えれば、どうしても情報の種類や鮮度は最新のものとはいかなくなる
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ