マブラヴ
1031話
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としても、傭兵を雇い続けるというのは色々と無理がある。
そもそも、傭兵にしたところで基本的にはBETAを憎んでいる者が多い筈。だというのに恭順派に対して雇われるとなると、破滅願望的な性格を持っている者か、あるいは自らの不満を押し殺してでも雇われるだけの報酬があるかといったところだと思う。
つまり、それだけの出費が必要な訳で……
「一体、どうやって戦力を補充してるんだろうな?」
「何かありましたか?」
思わず出てきた俺の呟きに反応した量産型Wに何でもないと首を振って、改めて考える。
例えば今回のように襲撃を仕掛けるのなら、当然兵力の損耗に関しても考えておく必要がある筈だ。幾ら恭順派であったとしても、それを考えないという事はないだろう。
そうなると、何らかの兵力補充の当てがある筈で……
ああ、駄目だな。思考がこんがらがって、同じ事を繰り返し考えている。
この辺の難しいのは、コーネリアなりエザリアなりレモンなりに任せるとしよう。
俺は純粋に実働班が動く時、一緒に行動すればいい。
自慢じゃないが、個人としての戦力という意味ではニーズヘッグを使った機体の戦闘であっても、あるいは生身での戦いであっても俺に勝るだけの実力を持った奴はそう多くはない。
それに影のゲートって手段もあるし、いざ敵地への潜入なり、攻め込むなりする時にはこれ以上ない程の戦力となるのは事実なのだから。
……とてもじゃないが一国の代表が自慢出来る事じゃないよな。
「ま、その辺に関してはいい。今はとにかくアンバール方面で起きたのが陽動じゃないと確認出来るまでは準備を怠らない事だ」
呟き、映像モニタへと視線を向ける。
そこでは先程銃を手にしていた者達も含め、それぞれが再びテラフォーミング作業へと戻っていた。
ただし、明らかに視線に宿る力は違う。昨日までのような、どこかのんびりとしたものではなく、何かあった時にはすぐにでも行動に移せるような、軍人としての自らを自覚しているかのような、そんな意思。
やはり実際に他の場所が攻撃を受けたというのは、意識を変えざるを得なかったのだろう。
「どうも日本人は少し楽になればそっちに流されるような傾向があるしな。この状態を保てとは言わないが、もう少し緊張感を持ってくれれば……」
夕呼が基地の空気が弛緩しているというような愚痴をレモンへと告げていたのを、何度か聞いた覚えがある。
まぁ、そっちに関してはある意味しょうがないんだろう。鉄原ハイヴ、重慶ハイヴと、日本を攻める上で橋頭堡となる場所をこちらが先制攻撃気味に攻撃を仕掛けて占領してしまったのだから。
現在の日本は前線ではあるが最前線とはとても言えない状態にある以上、多少弛緩しても不思議はないと思う。
俺なんかはそう思って
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