第二十話
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もしていたのかね?
「それは場合によります」
「レイナさぁぁぁん!?」
「ベル、ちょっと静かに」
アイズに窘められたベルは口をつむり、今にも泣き出しそうな表情で私を見つめてくる。君が何を訴えたいのか解らないけど、ひとまず静かにしておこうか? もしかしたらギルドが出張ってくるような事態なのかもしれないし。
「実は、私が戦い方を教えてる」
「へ?」
「ふぅ」
だから何でベルは安堵のため息をついているんだ……。
しかし、アイズがベルに戦い方を教えている……? どういう意味だ? そういうのはダンジョンに潜ってするものじゃないのか? バベルはまだ先の方にあるし、彼らが来たのはバベルとは真反対の方角だったし。どういうことだ。
疑問が顔に出たのか、アイズはつっかえつっかえになりながらも答える。
「えっと、私は幹部で、ベルは違うファミリアだから、密会してるのはまずくて」
……えぇっと? 言葉の節々が欠けてるけど、繋げると『アイズは【ロキ・ファミリア】の幹部だから、他の派閥であるベルと密会するのはいけないこと。それが公に出るとマズイ』ということかな……?
私はそういう煩事とはほぼ無縁の生活を送ってたから良く解らないけど……。もしかするとヘラクレスも無理して付き合ってくれていたのかな? うっわ、それ知らないで気軽に誘ってたわ。ゴメン。
雲の上にいるであろう親友に謝罪を述べながら、ひとまず整理する。
「とりあえず、私はこのこと(何のことか正直良く解ってないけど)を誰にも言いません。これで大丈夫ですか?」
「ありがとうレイナ。助かる」
「……え? レイナ? え? えぇ!?」
まぁた何かパニくり始めた。普段は良い子なんだけど、時々意味解らないこと口走ったりするからねベル。大体そういうときは早めに切り上げることにしてる。
「そういうことなので、私はここら辺で」
「あの、ちょっと待って」
「え? 何でアイズさんとレイナさんが知り合いなんだ!? 何で親しげなんだ!?」と小さく呟くベルを置いといてアイズは私を呼び止めた。アイズも意外と私と同じように解らないことは触らないことにしているらしい。
歩き去ろうとした足を止めて振り返ると、アイズは私の方に手を伸ばしてきたけど、途中でベルの顔を見て手を宙で彷徨わせた。
「ごめんなさい。本当にちょっとだけ、ここで待ってて」
「? 解りました」
今度は何だ? ひとまず待つけど。アイズはもう一度謝りを入れてからベルに肩を貸しながら細道の奥へ消えていった。どうでも良い事だけど、けが人を運ぶ速度じゃなかった。結構速かった。
手持ち無沙汰なので貰った槍で素振りをしていると、すぐにアイズがパタパタと駆けて帰ってきた。今度はベルの姿
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