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英雄は誰がために立つ
Life10 防衛戦
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た。

 ガラガラガラッッ!!

 「!?」

 後ろ――――いや、周り全体を見ますと、囲むように迫っていた一番前側のゴーレム達が一瞬にして瓦礫に変わった。
 その目の前の現象や沖田の動きから察して、あの一瞬だけでゴーレム達を切り伏せていたようだ。

 「これで安心してくれましたか?祐斗。それに私の中には、魑魅魍魎達がいます。いざとなればそれらを解き放ち、足止めなりなんなりに使えます。納得できたなら行きなさい」
 「お師匠様・・・。――――判りました。如何か、ご無事で!」

 沖田の武運を祈りながら、祐斗はゴーレムの軍勢の隙間を抜けていった。
 それを見送った沖田は、ゴーレムの軍勢に向けて構える。

 「木偶の坊の造物主よ。ここから先には一歩たりとも行かせんぞっ!」

 怒声を合図に、門に一番近いゴーレムから切り伏せていく。
 そんな沖田の奮闘中に、対となる西門でも戦闘は激化していた。

 「オォォォオオオラッァァアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 逆立ったオレンジ色の髪の毛と分厚いコートが特徴的な2メートル以上の背丈のある巨漢が、掌にあった炎を爆発的に広げて、門に近づこうとするゴーレム達を高熱により溶かしつくす。
 その巨漢の名はスルト・セカンド。
 北欧神話に出て来るスルトのコピー体で、紆余曲折経て今ではサーゼクスの眷属の『戦車(ルーク)』の2人の内の1人となっている。
 通称セカンド。

 「アッチ、アッチ!ちょっとセカンドさん!?周りをもう少し俯瞰しながら戦ってくださいよ!これじゃあ俺、あのゴーレム達と一緒に昇天逝きっすよ!?」

 その巨漢スルト・セカンドに抗議をする二十代中頃に見える茶髪の青年の名はベオウルフ。
 英雄ベオウルフの子孫で、その血統のせいか傲慢になり、サーゼクスに1対1の決闘を挑むも手傷をちょっと負わせた後にボロボロにされて、その強さに惚れ込み懇願の末にサーゼクスの眷属の『兵士(ポーン)』の2人のうちの1人となったのだ。
 通称ベオ。

 「知るかっ!そん位根性で避けろっ!根性で!!」
 「んな無茶な!?」

 セカンドの理不尽に、何時もの事ながらベオは抗議する。

 「だいたい何だ?そのアロハシャツは!」

 セカンドの指摘通り、ベオはアロハシャツに短パンと、およそ戦場に相応しくなさ過ぎるラフな格好だった。

 「今日、ホントはオフだったんすよ!それがこんな事に成って、こんな恰好のまま非戦闘員の避難誘導もやって、その果てには通信からセカンドさんのサポートに回ってくれって言うサーゼクス様の命令を頂いて来たんですよ!」
 「なら運が無かったと思って諦めろ。序でに逝き方も・・・・・・な!」
 「ちょっと!?何物騒な事、のたまわってるんすか!
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