脱出
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』
「いや、マキナ一人に責任は無い。まぁ、こうなった以上、セキュリティを突破するしかない。行くぞ!!」
真っ白でいかにも実験ルームであるこの空間の、壁や天井に備え付けられた魔導機銃からマシンガンの如き魔力弾の嵐が吹き荒れる。すぐさま散開した俺はネロを背負ったまま、ジグザグ走行で魔力弾を避けていき、かかと落としや膝蹴り、踏みつけで面倒な位置にあった機銃を破壊していく。そこにマキナがデバイスをモードチェンジしてハンドガン、モデルは“デザートイーグル.50AE”で、それを二丁構えて走りながら機銃を狙って撃っていく。あの銃の威力は折り紙付きだ、この程度の強度なら一発当てるだけで十分破壊出来る。
などと思っていたら、螺旋階段の方からガララッ!! と凄い崩壊音が聞こえ、土煙が通路にも吹き出して来た。
「あいたたた……キッツいのもらっちゃった……」
煙の中からボロボロの姿でレヴィが乱れた呼吸を整えながら立ち上がり、獰猛な唸り声を上げるアンデッドに対してフラフラしながらも身構える。あのバケモノを相手にたった一人でここまで時間を稼いでくれたのだから、彼女も相当奮闘したに違いないが……これ以上は流石に無理か。
『こっちは機銃の掃討は済んだよ!』
「よし、今ならあの化け物から逃げられる。レヴィ! 来い!!」
「っ、わかった……! すぐ行くよ!」
レヴィが持てる力を振り絞って全速力でこちらへ飛行してくる。アンデッドも追ってくるが、彼女程の速度じゃないのと出遅れた事もあり、レヴィが扉を越えてシャロンが扉を閉めるまでにたどり着く事は出来なかった。意外に頑丈な扉のおかげで、ガンガン叩いてくるもののアンデッドと俺達を遮断する事に成功した。
ただ、ありったけの速度を出したレヴィが勢い余って俺に突っ込んできたため、ネロを落とす事無く受け止めてやる必要はあったが。
「わぁ、お兄さんに引っ付いてると気持ちいいなぁ……こしこし」
「頭をこする意味はわからんが……まぁいい。アレを相手に一人でよく頑張ってくれた、レヴィ」
空いてる右手でレヴィの頭を力抑え目で撫でると、彼女は「ふにゃぁ〜」っと気持ちよさそうな声を漏らした。バリアジャケットの損傷度も相当なものだが、幸運な事に致命傷は何とか負わずに済んだようだ。
『……で、この部屋にもセキュリティってあったりするのかな?』
「可能性はあるよね……この壁や天井にたくさんある溝とか、いかにも怪しいし……」
そうやってマキナとシャロンが懸念していた事は、数秒後に現実の物となる。通路の奥から奇妙な装置が溝を一定の速度で通って来たため、嫌な予感がした俺はブラックサンを発動、この空間をわざと暗くしてみる。すると装置の間に伸びている赤い筋が見えるようになり、さっきの通路で破壊さ
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